曇天の下、鈍く輝くシルバーの外国車。車は東京都内の繁華街で止まったかと思うと、後部座席からブルーのシャツにジーンズの男性が降り、近くのビルの中に急ぎ足で入って行った。‘14年9月に覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けてから約10カ月、久しぶりに見たASKA(57)は、頬のあたりがゆるみ、お腹もかなりせり出している。目撃したのは、7月15日。“不倫愛人”栩内香澄美被告(38)の控訴審で有罪判決が下る前日だった。

 栩内被告と弁護士は、ASKAの出廷を求めていた。4月にも栩内被告の弁護士はASKAと3回メールのやりとりをしており、面会にこぎつける直前だったという。だがその後、ASKAは突然心変わり。4月27日のメールには《家族、弁護士と話し合い、会うことはお断りします。身元引受人である家族の理解を得ないまま、メールを送ってしまいました。大きな過ちで深くお詫びします》とあったという。

 この日、30分ほどでビルから出てきたASKA。その後頭部には、ところどころ毛がまばらになっている部分があった。

「昨年9月に有罪判決を受けましたが、彼はその後もずっと自責の念に苛まれていました。家族に迷惑をかけてしまったこと、そして元愛人・栩内被告の裁判も続いていること……。外出もままならず、ストレスが溜まっていたのでしょう。体重は10キロほども増え、一時期は円形脱毛症に悩まされていたそうです」(前出・ASKAの知人)

 激太りの蔭には、妻と元愛人の“板挟み”になっていた苦悩の日々があったのだ。本誌は自宅に戻ったASKAを直撃。記者の声に振り返った彼は、意外にも平静な表情だった。

――ご自宅で曲作りをされているそうですが?
「いえいえ、いまはまだそういうことには答えられないんです」
そんなASKAの様子が一変したのは、次の質問を投げかけたときだった。
――明日の16日は、栩内香澄美被告の控訴審の判決が下されますが?
「……!」
 
表情が凍りつき、こちらに向けていた視線も急にそらされた。本誌記者に背を向け、自宅の裏口玄関に向かったASKAだったが、動揺したためか、玄関を開ける暗証番号の入力を何度も間違える。ようやくドアを開けることができると、「何も話せなくてごめんなさい」と言い残し、玄関のなかに消えていった。元愛人を助けることができなかった罪悪感のせいか、彼にとって『栩内香澄美』という名前は、トラウマとなって刻まれているようだ。

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