「面白かったです。第1〜2話の『人間椅子』は、中学校で教師のバラバラ殺人事件が起こったという設定の中で、物語がどんなふうに動いていくのかなあと思いながら見ました」(又吉直樹・35)

 江戸川乱歩の数々の作品を原案としたオリジナルテレビアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』(フジテレビ系・木曜24時55分〜)が今、話題を呼んでいる。本作の宣伝部長を務めるのは、お笑い芸人であり、作家として芥川賞を受賞したピースの又吉。乱歩の大ファンという彼も、アニメの不思議な世界観にどっぷりハマったようだ。

「アケチという天才が持つ近寄り難さとか、探偵小説ならではの、事件が起こり、物語が動いて、いよいよ探偵が出てきたときのワクワク感がすごく気持ちいい。『あっ!』っていう待ってました感、乱歩の小説を読んでいるときの何かが起こりそうな予感がずっとありました」(又吉・以下同)

 その『人間椅子』は、以前、又吉自身が制作した、ショートフィルム『Letter/手紙』のモチーフにも。

「短い時間の中で、見終わった後、何か1個、発見というか、驚きがほしくて。最初に乱歩が思い浮かんだんです。『人間椅子』は、昔、20歳のころに古本屋で見つけて初めて読みました。気持ち悪さといい、不思議な世界観といい、仕掛けも含めてすごい作品だなあ、と。乱歩の作品は、作品ごとに仕掛けが全然違って、幅があって、そこが、乱歩にハマってしまったきっかけです」

 劇中の天才探偵アケチは“缶コーヒー依存症”という設定。じつは、又吉自身も缶コーヒー好きで、ふだんの読書のお供もコーヒーが多いそうだ。

「コーヒーを飲みながら、チョコをかじって眠たさを飛ばすことも。とくに、『火花』を書いていたときは、夜中に書くことが多かったので、眠たかったんですよ(笑)。昔っから、コーヒー牛乳が好きで」

 そんな、又吉に自身の次回作についても聞いてみた。

「今回の『火花』は純文学でしたが、次は乱歩作品のようなエンタテインメントにも挑戦したいですね。でも、純文学よりも才能がいるからな……」