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「ああ、上岡さんならよく高級外車を運転して出かけていくところを見かけますよ。たいてい奥さんと二人ですね。買い物帰りには、奥さんと二人で買ったものをいっしょに車から運び出したりしています。本当に普通の、仲の良い年配のご夫婦という感じですね」(近所に住む主婦)

 

かつて関西で“お笑い界のドン”と呼ばれた上岡龍太郎(73)。人気テレビ番組『探偵ナイトスクープ』の初代局長を務め全国区の人気者になったが、現役時代口にしていた「僕の芸は20世紀まで」という言葉どおり、’00年4月に58歳で芸能界を引退。テレビからもステージからも完全に姿を消した。

 

あれから15年。今年3月に自ら師と仰いでいた落語家・桂米朝さん(享年89)の葬儀へ参列したときも、最初は「一般人ですから」と取材を断っていた上岡。だが最後は質問に応じて、米朝との思い出やその偉大さを語っていた。

 

「ちょうどそのとき公開されていた映画監督の息子・小林聖太郎の作品『マエストロ』のことを訊かれ、『44回見た。息子から自分より見ていると言われました』とPR。意外と律儀な方なんですよ」(芸能レポーター)

 

そんな彼の性格は、引退後のこんなエピソードにも現れていた。

 

「関西で名の知れた落語家の公演があったのですが、幕が開くと客席に上岡さんが一般席で座っていたそうです。後日、その落語家が『兄さん、ひとこと言うてくださったらチケットくらいお送りしましたのに』と言うと、上岡さんはやっぱり『いやいや、僕はもう一般人だから』と謙虚に返したそうです」(前出・芸能レポーター)

 

さらに義理堅い上岡は、隠居した今もかつての弟子のことを気にかけていた。

 

「上岡さんの弟子であるテントさんは、なかなか公の場に姿を見せないことから “ツチノコ芸人”と呼ばれています。そんな彼が今春、三年ぶりの独演会をしたんです。上岡さんはそのチケットをやはり自分で購入。大勢の一般客に混じって弟子の健闘を見守り、公演後は惜しみない拍手を送っていたそうです」(別の芸能記者)

 

隠居後も続く“愛のエール”に、弟子は涙したことだろう。

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