“伝説の大女優”原節子(95)が表舞台から姿を消して51年。神奈川・鎌倉に建つ木造2階建ての自宅を訪れた。近所住人によると、以前は買い物や掃き掃除する姿がよく見られたというが、最近は姿を見かけないという。チャイムを鳴らすと、甥が出てきて応対してくれた。
「叔母のことですか? 言いづらいんですが、じつは今、病院にいるんですよ」
予想外の答えが返ってきて、記者も驚いてしまった。
――もう95歳ですよね。体調を崩されて?
「そうですね。前はかくしゃくとしていましたが、もう本人も歳なので」
――意識などはしっかりされてるんでしょうか。
「意識は、ええ、普通ですね……」
叔母の病状が心配なのだろう、甥は言いづらそうに語尾を濁した。
――いつごろ入院を?
「9月の中旬ぐらいかな」
――住みなれた鎌倉を離れて1人病院住まい。お寂しいんじゃないでしょうか?
「はい。それで東京に親戚もいますし、見舞っています」
原には2人の姉がいる。100歳を超えた長姉と、100歳近い次姉がそうだ。気心の知れた姉たちの見舞いは、原にも何よりの楽しみだろう。1日も早い回復を祈りたい。