「入り婿の育生(向井理)をいびり倒すの。向井くん自身はすごくかわいい。でも、いびり役は楽しいです(笑)。私たち、ちょっとイカれてる親子よね。月子のあんぽんたんぶりも相当で、監督から『もっとくさく、テンション上げて!』って言われて、エ〜ッ!て(笑)。オンエアを見るのが怖いの。」(室井滋・以下同)
主人公の育生の妻・楓(榮倉奈々)の祖父役の伊東四朗をはじめ、義父を岸部一徳、義母を余貴美子……と強烈なキャラクターを個性豊かな役者陣が演じ、さっそく話題を呼んでいるドラマ『遺産争族』(テレビ朝日系)。なかでも、「マーくん!」「マミー!」と互いを呼び合い、バカ親子っぷりを披露するのは、義母の妹・月子を演じる室井滋と、月子の一粒種でマザコンの正春役の鈴木浩介だ。
「マーくんは、台本のト書きで、『正春はバカっぽいけれども、ただのバカじゃない』って書かれていて。演じている鈴木さんも、ただのバカじゃないふうを、チラッチラッと出していくと思います。そんな私たちに対して、主演の2人がとっても爽やかで、結婚式のシーンなんて、洋風のお雛さまみたい(笑)。2人が翻弄されていく様子も見どころです」
物語は、研修医の育生が大家族に婿入りするところから始まり、10億円もの遺産をめぐる相続問題が勃発する。
「遺産相続がテーマのドラマと聞いて、今回、私の周りでも反響がすごくあるんです。『じつは、うちの女房の家が大変だったんだよ』とか、みなさん、大なり小なり、遺産をめぐるトラブルを抱えていることを知りました。どんなに仲のいい家族でも、遺産の問題ひとつできょうだい仲が険悪になったり、肉親だからこそ深く憎しみ合ったり」
争う家族“争族”の姿を通して問われる「家族とは何か?」「結婚とは?」。
「争うことは、べつに悪いことばかりではないと思うんですよ。ある意味、ふだん表面化していない家族間の問題を考え直すよいチャンスでもあるのかなぁって。今後、月子とマーくんとの関係もいろいろ出てくるし、育生と楓も、姉夫婦も、それぞれが抱えていた問題が、遺産というものをめぐってあらわになっていく。そういう人間の心のひだみたいなものを、しっかり描いたドラマになっていると思います」