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微笑む宇江佐(うえざ)真理さん(享年66)の遺影を取り囲むたくさんの花。その1つに『東出杏』の名前があった。人気小説家である宇江佐さんが、乳がんで亡くなってから3日後の11月10日、北海道函館市でしめやかに葬儀が営まれた。女優・杏(29)からの弔花について、ある芸能関係者は首をかしげる。

 

「宇江佐さんの作品は『髪結い伊三次捕物余話』が中村橋之助主演でテレビドラマ化され、『雷桜』が岡田将生・蒼井優主演で映画化されました。しかし杏さんは、宇江佐さんの作品には出演していなかったはすですが……」

歴史好きで、年に100冊の小説を読む“読書家”としても知られる杏。実は、その彼女が“最も愛した作家”が宇江佐さんだったのだ。宇江佐さんの作品は50冊ほどもあるが、杏はすべて読破しているという。杏の仕事関係者はこう語る。

 

「彼女は宇江佐さんに作品への愛をつづったファンレターを送っており、宇江佐さんからお返事をもらったこともあるそうです」

‘09年、杏が出演するラジオ番組『BOOKBAR』で、“NHK大河ドラマにしたい時代小説”がテーマになったこともあった。

 

「杏さんが選んだのが、やはり宇江佐さんの『アラミスと呼ばれた女』(講談社文庫)で、その魅力を熱く語り尽くしたのです。彼女がもっとも好きだという幕末で、男装して通訳として活躍するヒロインを描いた作品です」(前出・ラジオ局関係者)

 

杏はよほどこの小説を気に入っていたようで当時、雑誌のインタビューやテレビ番組でも、『アラミスと呼ばれた女』を紹介しまくっている。前出の仕事関係者は言う。

 

「『大河ドラマとはいかなくても「アラミス~」が映像化されるときには、絶対私も出演したい』と言っていましたね。きっと宇江佐さんへのファンレターにも、そんな思いをつづっていたのではないでしょうか。そういえば、お父さんの渡辺謙さん(56)も、『明日の記憶』を書いた小説家・荻原博さんに映画化を熱望する手紙を送り、主演したことがありました」

 

宇江佐さんは今年1月に『文藝春秋』で、自らの乳がんについて書いている。杏はどんな思いで、最愛作家の闘病記を読んでいたのだろうか――。

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