’61年からスタートした、NHK連続テレビ小説(通称・朝ドラ)。そのヒロイン役はスター女優への登竜門ともいわれ、毎回、大きな注目が集まる。出演をきっかけにブレークする人が多いいっぽう、いつの間にか、姿を見せなくなった人も……。
今回、朝ドラ出演後、フェードアウトしてしまったり、お騒がせ女優になってしまったりした「波瀾万丈」なヒロインについて、テレビウオッチャーのペリー荻野さんと田幸和歌子さんに、勝手に番付化してもらいました!
ペリー「やはり横綱は、能年玲奈でしょ。あれだけ話題になった『あまちゃん』(’13年)以降、何で?って感じですね」
田幸「視聴者の寂しい気持ちを込めて、私も今回の横綱にしたいです」
ペリー「宮藤官九郎が脚本の作品でブレークしただけに、またアッと驚くような作品に出てくれるのかと、ファンは期待しているんですけどね……。これから復活するなら、いきなりドラマに出るのではなく、じつは彼女が水面下でこっそり面白いことをやっていて、それがジワジワと口コミで広がって脚光を浴びる、みたいなパターンに期待しています!」
田幸「それ、いいですね〜!『あまちゃん』も、ツイッターなどを介してブームが広がっていきましたからね」
ペリー「大関は、自殺未遂騒動で注目を浴びた、『私の青空』(’00年)の田畑智子。演技派女優としてその地位を確立していたのに、何があったのかな〜」
田幸「以前、朝ドラの制作関係者に『歴代のヒロインで、いちばん演技がすごかった女優さんは?』と聞いたとき、田畑智子という答えが返ってきました。オーディションのときから、群を抜いていたと」
ペリー「関脇は、『すずらん』(’99年)の遠野なぎこ。彼女は、いまではバラエティ番組で大活躍していますが、朝ドラのイメージとは、まったく違う方向に振れた形でブレークですね。自ら不幸だった人生をカミングアウトするあたり、まさに波瀾万丈」
田幸「『すずらん』は、ひたすら暗い内容だったんです。極寒の地が舞台で、雪とヒロインの泣き顔ばかりが印象に残っています」
ペリー「出演していないのに、なぜか高倉健の気配を感じるようなドラマでした(笑)。そのイメージと、現在のギャップが大きい」
田幸「小結は、朝ドラ作品が不調だったという、珍しいパターンの『純と愛』(’12年)でヒロインを務めた夏菜です。『純と愛』は、別の意味で伝説の作品となっています」
ペリー「爽やかで、明るくて、見終わったあとに、元気に仕事に行く気持ちになる−−。それが朝ドラの定番スタイル。ところが、このスタイルを壊したのが『純と愛』でした。脚本が『家政婦のミタ』で知られる遊川和彦さんだったから、そういった面白さが途中からくるのかと思いきや……」
田幸「ヒロインの行く先々で、不幸な出来事が次から次へと起こる。そして結局、最後まで爽快感がないまま終わってしまったような(笑)」
ペリー「衝撃作だったことはたしかです。ただ、その衝撃を毎朝、半年間も付き合うのは視聴者としてはつらかったでしょう」