「今まで自分が演じてきた役をふり返ってみると、こういう役を演じることは想像もつかなかったので、ある意味、自分に挑戦状をたたきつけられた気がしてすごくありがたかったです。いいきっかけをもらったなと。タブーな世界観を映画として世に出すという挑戦もおもしろいと思いました」
そう話すのは、これまで正義の味方、お人よしの高校生など強くてさわやかな役を演じることが多かった竜星涼(23)。そんな彼が主演映画「シマウマ」(5月21日より全国ロードショー)では、アウトローな役に挑戦している。仲間たちと手を組み美人局で稼ぐ、ダークサイドにいる男、竜夫という人物だ。
「アップのときの僕は血だらけですからね。ホラー映画やゾンビ映画を撮っているんだっけ?と錯覚してしまいそうになるくらいでした。顔が腫れているのは1時間以上かけて特殊なメークを。その自分の姿を見て、けっこう嫌いじゃないと」
原作は同名タイトルの人気漫画。流血シーンなど過激なバイオレンス描写が続き、“絶対に読んではいけない漫画”とまで言われている。そんな作品だけに、目をそむけたくなる描写や、せっかくのイケメンが無残な姿に……という状態でスクリーンに映ることも。
「これまでは自分が主体となって相手を倒すことが多かったのですが、今回は、自分が倒されることが多かったので、倒される美学というものも知ることができて、すごく楽しかったです。血だらけで顔を腫らし、弱りながらも這いつくばっていくというそのさまが、倒される美学かなと。そこがかっこいいなと思いました」
経験したことのない役柄へ前向きな姿勢で挑んだ様子がうかがえる。さわやかにほほ笑む竜星が映画で見せた、危険な姿。その新しい一面をぜひ映画で確認してほしい。