『とと姉ちゃん』の7週(5月16日〜21日)は、昭和11年(1936年)、16歳になった常子(高畑充希)は女学校最高学年となる。ほとんどの女学生が卒業を待たずに嫁ぐことが多い中、常子はひとり、高給取りの職業婦人になるべく、職探しに没頭するのだった……。

image

新学年となった常子たちの前に、新しい担任教師が現れる。名は、東堂チヨ(片桐はいり)。教壇に立つ東堂は突然、生徒たちに胡座をかくように指示する。戸惑う学生たちの前で自ら胡座をかくと、「誰もができることを、女性だからできない、してはいけないと決めつけてはいませんか?」と問う。常子は、そんな東堂の言動に圧倒されるとともに、女という枠の中で職を探していたことに気づかされる。女性の自立をすすめる東堂は、常子にらいてうが作った『青鞜』という一冊の雑誌を渡す。その影響は、将来に悩む鞠子(相楽樹)にも伝播する。

image

雑誌を読み、常子はこれまでにない自由な気持ちになる。同じく雑誌を読んだ鞠子(相楽樹)も感動したと言う。2人で東堂に雑誌を返し行くと、「お2人は何か挑戦したいことはありますか?」と質問される。「挑戦したいこととは違うかもしれませんが、家族のために給金のよい職業に就きたい」と目を輝かせる常子に対し、何もないと答える鞠子。

世の中は、陸軍青年将校によるクーデータ「二・二六事件」が起こって以来、徐々に不景気の波が押し寄せていた。ある日、叔父の鉄郎(向井理)が突然、森田屋に現れる。事業に成功して大金を手にしたという鉄郎の話に興味津々の常子。事業を起こして、男性のように稼ぎたいと、真剣に考えていたのだ。それからの常子は、世間の人々を観察し、鉄郎の言う“需要”を探し始める。

image

ネタになりそうな情報を求めて奔走する常子は、同級生の綾(阿部純子)の家を訪問。綾の母が歯槽膿漏で悩んでいることを知る。歯槽膿漏は女性に多い悩みだと聞き、森田屋のまつ(秋野暢子)も患っていたことを思い出す。歯医者で出口調査を行う常子は、商機があると確信。さらに、歯医者の前で出くわした星野(坂口健太郎)から、耳寄りな情報を得る。星野の話は、彼の母も昔、歯槽膿漏だったが、医者から練り歯磨きの作り方を教えてもらい、使っているうちに症状が緩和したという。常子は、星野に練り歯磨き粉の作り方を聞き、さっそく試作に取り掛かる。最初は、失敗を繰り返していた常子だったが、鞠子たちの助けを借りて練り歯磨き粉を完成させる。そして、鉄郎の助言で、森田屋の弁当に試供品としてつけると、その評判は瞬く間に広がった。

image

一方、常子の行動力を見て、鞠子も変わり始める。大学に進学したいという思いを口に出せないでいたのだが、東堂には打ち明けていたのだ。ひょんなことから鞠子の思い知った常子は、歯磨き粉の商売を成功させ、学費を稼ぐことを心に誓う。鉄郎のアドバイスのもと、常子たちは歯磨き粉の商売の準備に取り掛かる。そして、いよいよ発売までこぎつけた。常子は、鉄郎とともに路上販売を始める。鉄郎の見事な口上で、みるみる客が集まり、商品は飛ぶように売れていく。初めて叔父に感心していた常子だが、完売を喜ぶ2人の前に、鉄郎の借金の取り立て屋が現れる。売上げを全額取り上げ、残りの借金も早く返せ、と鉄郎を脅す男たち。歯磨き粉を売って返済するという鉄郎の話を聞き、1個30銭の歯磨き粉を10個1銭で買い取ると言い出した。せっかく始めた商売がいきなり横取りされるピンチに陥った常子。解決策を見い出せないまま、翌朝を迎えると、鉄郎が姿をくらましていた。

 

8週(5月23日〜28日)の『とと姉ちゃん』は、常子が歯磨き粉の商売を始める話から始まる。常子は、練り歯磨きをチューブに入れて販売することを思いつくが、叔父の鉄郎が仕出かしたトラブルによって、事業そのものは失敗。しかし、常子は「人のためになるものを作り、売る」ことの大切さを学ぶ。一方、鞠子は大学へ進学したいと告白する。経済的な理由から反対する母・君子(木村多江)。初めてやりたいことを見つけたという鞠子に常子は共感する。