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「神経注いで、骨身削ってやった作品。見れば必ず誰しもひとつは心に伝わるものがあると思います。見ないと損をしますよ」

 

そう、主演映画『64−ロクヨン−』(前編公開中。後編は6月11日公開)への思いを熱く語る佐藤浩市(55)。今作では、警察の上層部からの圧力と戦いながら、昭和64年に起きた未解決誘拐事件と向き合う主人公・三上義信を熱演している。警察のやり方に反発する記者団30人との激しいバトル、娘を殺された父親の苦悩の姿など、息をのむようなシーンの連続で作品に引きつけられていく。

 

そして共演者は綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和……と豪華な面々。

 

「みなさんに豪華豪華って言われますけど、無駄な豪華じゃないんです。映画を見ていただけたら、それぞれが役者としてどれだけ勝負をかけているかがわかります。撮影現場では、先輩でも後輩でもなく、“お芝居”という真剣な試合(バトル)をしているんです。そのぶん僕も気が抜けなかったんですが、今はみなさんに感謝しています」

 

三上に反発する新聞記者・秋川を演じた瑛太は、「本気で演っていい」と佐藤から言われ、目の前で怒鳴る場面で唾をたくさん飛ばしてしまったことを後悔しているそうだが……。

 

「うん、確かにあいつは唾をかけてきた(笑)。唾が画面に映っていたら、それも演技の1つにしたんだけど、残念ながら唾は映らないんですよね」

 

後輩のヒートアップした行動もうれしそうに受け止めている。プライベートでは、ヘビーロックをこよなく愛し、お笑いにも感心をよせ……、と何事にも真摯に熱く向き合うのが佐藤浩市流のように見えるが、一方でこんな一面もある。

 

「『64』の撮影が終わったあとは、ゆっくりさせてもらいましたが、僕みたいなぐうたらは少し休むと休み癖がついちゃう。仕事をしていなくても、危機とは思わない得な性質。『もっと仕事したら?』と言われちゃうくらい何もしないでも平気なんですよね」

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