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「『笑点』の大喜利メンバーに選ばれたのは、’06年。10年前、ちょうど笑点40周年のときに入ったんです。僕は’03年から計8年間『BS笑点』、CSの『笑点Jr.』の『若手大喜利』で司会をしていまして、なぜ選ばれたのかはわからないんですけど……」

 

はにかみながら話してくれたのは、5月22日に『笑点』(日本テレビ系)の6代目の司会者に抜擢された春風亭昇太師匠(56)。翌23日にはアクセスが集中して昇太師匠のホームページはつながりにくくなったほど。まさに今“時の人”である。このたび『笑点』という大きな看板を背負うことになってしまった昇太師匠の落語人生とは−−?

 

「ウチの師匠(春風亭柳昇)は『するってーと、なにかい?』『おまえさん、ちょっとこっちにおいでよ』というような江戸っ子口調ではなく、普通の話し言葉で新作落語をやっていた。当時は師匠のような人が少なく、新鮮で、自分もそういう落語をやりたいと思ったんです。静岡生まれの僕がいきなり江戸言葉で話しても、うそっぽいしうさんくさいでしょ(笑)」

 

落語界は縦社会で、大変そうなイメージがあるが……。

 

「先輩が後輩の面倒を見る世界だから、ご飯は先輩がおごってくれるし、そんなに大変じゃないです。先輩に好かれれば落語会などの前座として呼ばれるから、仕事も増える。前座の4年間は、“どうやったら先輩にかわいがってもらえるか”ばかり考えていました。何か言われたら、笑顔で元気に『ハイッ!』と返事をして。それが一生懸命やっているように見えたのか、かなりかわいがってもらいました。そのころの僕、見た目もかわいかったですし(笑)」

 

前座4年半で二ツ目に昇進。それから真打になるまでわずか5年。’92年、7人抜きの真打昇進だった。真打になれば弟子をとれるが、昇太師匠は長いこと誰も入門させなかった。

 

「だって弟子なんてとっても、何のトクにもならないんですよ。自分の時間を割いて無料で落語を教えて、弟子が二ツ目や真打に昇進すればお祝いを渡して。ご飯にも連れて行かなきゃいけないし、『アイツの仕事はどうなってるんだ、大丈夫か』と心配もしなきゃいけない。そのくせ、一銭にもならないんですよ(笑)」

 

そんな昇太師匠がついに弟子をとったのは、『笑点』でも共演している三遊亭小遊三師匠の言葉がきっかけだ。

 

「『おまえも師匠に世話になったんだろ。そろそろ恩を返さないといけないんじゃないの?』ってね。たしかに僕が今こうして落語家として食っていけているのは師匠のおかげだから、きちんと後輩に返していかなきゃと思い、今は弟子が7人もいるんですよ!僕、薄っぺらいんで、そんなにいるって思われないんですけど。でも、とりすぎですよね。返しすぎですかね、恩(笑)」