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「アラフィフの女3人(高島礼子、宮崎美子、高畑淳子)が井戸端会議で、ぐちゃぐちゃとおしゃべりしながら事件を解決に導くのが見どころです」

 

7月21日から始まる『女たちの特捜最前線』(テレビ朝日系・木曜20時〜)で、元刑事から介護離職をし、その後、調理員として復職した八坂美鈴を演じるのが高畑淳子(61)。彼女は自身が歩んだ“働く女”道をこう語る。

 

「社会で働くということには、周りへの気遣いも必要ですし、心労も多い。だからこそ美鈴のように、“何でも言い合える”女友達の存在は必要ですよね。さらに、何かあったときにホンネでぶつかってくれることも大事。“働く女”にとって、たまったストレスをさらけ出しても平気な友達がいるかいないかは、精神的にかなり違うでしょうね」

 

美鈴は10年間の介護明けで復職を果たしたが、高畑は最近、介護が始まったそうだ。

 

「86歳になる母は、頑張り屋で明るくて、食事にも体にも気をつける人でしたが、認知症の症状が少し出始めていて……。それで先日、介護付きのホームに入居したんです。“母であり母でない”ようになり、人間はこんなに変化するものかと。やはり自分に降りかかるまで、大変さはわからないですね……」

 

苦笑いを見せる高畑は女優として働きながら、ひとりで2人の子どもを育てあげた。

 

「38歳で2人目の裕太(俳優)を産んだときです。出産後に舞台が控えていたので、復職して仕事を探さなきゃということはなかったのですが、産後復帰した舞台の稽古で、大きな声を出した途端、下からジャーッと出てきて……。おむつをしながら稽古したことを覚えています」

 

産後の体力低下を感じながら復職を果たした高畑。子育てをする中で変化が起きた。

 

「裕太はアトピーやぜんそくもあって病気がち。救急車で病院に連れていくこともしょっちゅうでした。夜もかゆさから体をぽりぽりかくし……。でも、ステロイドは使わずに治そうと決意したころから、自分のことをまったく気にしなくなりました。『子どもさえ元気でいてくれたら、それでいい』と思ったのです。自分の顔や姿は『(撮影や芝居の)仕事場で整っていれば、あとはよし』と。“大好きな仕事ができること”と、“子どもが元気でいること”。この2つがあれば、あとは野となれ山となれと思いました」

 

とおおらかに笑い、続けた。

 

「若いころは『あれも欲しい、これも欲しい』で苦しかったし、人からどう思われるかばかり気にしていました。でも40代を迎え、人生で大事なことを2つに絞ってからは、生きるのが苦しくなくなったんです。はたからどう見られてもいいじゃないかって。今ではすっぴんに短パン姿でママチャリに乗って、10円でも安いお店を調べて買い物に行きますよ。そうすれば節約した分で、いいお肉やおかずが買えるじゃない?(笑)」

 

こういう庶民的なところが女性たちの支持を得て、ドラマに映画、舞台とあちこちから引っ張りだこなのだろう。どんなに忙しくても、大好きな仕事があり、家族が元気なら、それでいいと語る高畑。

 

「大事なことを2つに絞りこむ、そしてホンネで話せる仲間を持つ−−それが“働く女”として歩む私の“難事件”解決策です」

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