「私が出品した二科展入選と、交際1周年記念をお祝いしようということで、9月1日に都内の創作和食店に誘われて。はい、うまくだまされました(笑)」
幸せいっぱいという表情でプロポーズが実はサプライズだったと打ち明けるのは、11月1日に入籍したタレントの押切もえ(36)。お相手は、かねてから結婚が噂されていたプロ野球・千葉ロッテマリーンズの涌井秀章投手(30)。サプライズプロポーズは、なかなか手の込んだものだった。
「彼が手紙を書いてくれて、私がその場で読みました。便箋に3枚。普段は手紙なんて、書かない人なんですが」
文面は恥ずかしくて、と口ごもったが、プロポーズの言葉は〈どんなときでもあなたの幸せを思い、第一に考えます。結婚してください〉だったと明かした。
「返事はほぼ即答でしたが、あまりに急な展開で自分でもちょっとビックリして。でも、とても嬉しかったです。その後、長野に住んでいる親友が花束持参で現れて、『おめでとう!』って言ってくれたんです。ずっと店外に隠れていたみたいですね。お店の御主人まで協力してくれて、特別な日になったという思いでいっぱいでした」
交際中、押切はタレント業に加えて小説執筆、涌井選手はペナントレースと互いに多忙な二人だが、家族ぐるみの温かい交流が続いていた。
「ビビビッは最初はありませんでしたが(笑)、つくろわない感じで、いい人だなと思いました。いきなり結婚しようはないですが、ずっと一緒にいたいという話は最初からされていました。えっ、普段の呼び方ですか。私は“君づけ”です。でもいろんなバリエーションがありますよ。私の呼び名は勘弁してください(笑)。本当に穏やかで怒るところを見たことがないです。私がプリプリしたことがあっても(笑)、彼は取り合わないですから、ケンカにはならないです。こっちが勝手に反省するというパターンですね。彼は動じないというか、アスリートだから精神的に強くなければやっていけないんだと思います」
結婚前からスポーツ選手に大事な食事のサポートは、完璧だった。
「彼は家庭料理が好きで、和食派ですね。ひじきの煮物とか切り干し大根とか。そうなんです、すごく、しぶいといいますか(笑)。体のことを考えてひじきだったらバリエーションを増やして、たんぱく質、鉄分が必要だと思ったらあさりを入れたり、夏場でビタミン補給が必要だと思ったらピーマンを千切りにして入れたり工夫しています」
料理本はもちろん、先輩主婦の知恵をネットで検索するなどして、内助の功を発揮している。気になるのは、彼女の結婚後の仕事だが、涌井選手には今後、渡米してメジャーのマウンドに立つという夢もある。
「野球選手というのは将来のことはわからない職業ですが、彼が行きたいというのであれば、その思いについていくという思いはありますし、仕事もできる範囲でやらせていただければと思っています」
と即答した。かつてNHKの『英語でしゃべらナイト』に出演していた押切だけに、そうなれば栄養管理だけでなく、語学の面でのサポートも万全となるに違いない。作家としても13年のデビュー以来、精力的に執筆活動を続け、今年は『永遠とは違う一日』が山本周五郎賞にノミネートされ、次回作にも期待がかかる。5月の本誌インタビューでは、子供はいつかほしいと語っていた押切。
「二人くらい授かったらいいですね。お互いに兄妹がいるので……。『子供、ほしいね』っていう話はよくしています。人数はわかりませんが、とにかく一人はほしいです。彼は、意外に『最初は女の子もいいよね』みたいな話も。私は、どっちでも嬉しいです」
球団を通じて入籍当日に発表したコメントで、涌井選手はこう綴っている。
〈彼女と出会えたことにより、新しい涌井秀章という人間に生まれ変われたと思っています。(中略)私には彼女の力が必要で、一緒に歩んでいきたい大事な存在です〉
もちろん、押切もずっと同じ思いでいる。
「いまの気持ちを大切に、温かい、笑いが絶えない家庭を作っていきたいです」