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「M‐1グランプリ2016」で優勝した銀シャリ。コンビ名もさることながら、ボケ・鰻和弘(33)の珍しい苗字が注目を集めている。そんな彼は“謎の鰻家”についてこのような逸話を舞台上で語っている。

 

「鰻姓は日本に7人しかおらず、そのうち5人が自分の家族」「鰻家では代々『鰻を食べてはいけない』という言い伝えがある」「先祖が2人ほど鰻を食べたら原因不明の心臓麻痺で亡くなった」「兄が『鰻を食べたら死ぬなんて迷信』と言ってうなぎパイを食べたら、泡を噴いて倒れ病院に運ばれた」

 

鰻を食べたら死ぬ……。そんな“鰻家の呪い”は実在するのだろうか。本誌は真相を探るべく、大阪府八尾市内にある和弘の実家を訪ねた。手土産はもちろん、特上うな重とうなぎパイの“詰め合わせ”だ。応対したのは母・由美子さん(66)。手土産の受け取りを断ると思いきや、帰ってきたのは意外な答えだった。

 

「ありがとうございます。うわー、嬉しい!」

 

顔をほころばせながら記者が手渡したうな重とうなぎパイを受け取る由美子さん。エッ、言い伝えは?

 

「たしかに、あの子は食べないと思いますよ。家族で鰻を食べに行ったこともないし、土用の丑の日に買ってきたこともないですし。でも私はよそから嫁いできたので、食べてもいいんです。というか陰ではお姉ちゃんも食べてると思います。お兄ちゃんも肉より魚が好きやったから食べてるんとちゃうかな。うなぎパイを食べて倒れたことになってますが『なんで俺が泡噴いて倒れなあかんねん。だってうなぎパイやで』と笑ってましたから」

 

どうやら「鰻を食べてはいけない」という言い伝えを守り続けてきたのは、和弘だけのようだ。何やら雲行きが怪しくなってきた“鰻家の呪い”。母はこう続ける。

 

「お兄ちゃんは『日本に7人しかいないって、俺の嫁と子供の数が入ってないぞ!』とも言っていましたね。でも鰻姓が少ないのは本当みたいですよ。それにあの子がしらべてきたのですが、ご先祖様が鰻を食べて亡くなられたというのも本当のようです。鹿児島県指宿市に“鰻池”という周囲4キロほどの池があって、この池のまわりには鰻姓が多かったそうです。今では一人も住んでいないみたいですが、そこでかつて鰻を食べて2人ほど体調を崩したとか、亡くなったとか言われていると聞きました」

 

和弘の鰻家も父は他界しており、残ったのは由美子さんと和弘と長男一家と長女。そして今年7月に和弘が結婚した高校時代の同級生妻と、言っていた数こそ違うが合わせて7人だけ。かつては多かった鰻姓も今となっては“絶滅”寸前。その理由は切ないものだった。

 

「変わった名前ですからね。嫁いだり亡くなったりした方もいるでしょうが、改名している方も多いみたいです。私も嫁ぐ際にお義母さんから『鰻なんて変な名前、イヤやろ……? もし嫌やったら、改名してもええからね』と言われました。特に気にならなかったので改名していませんが、長女はファミレスに行った際に『鰻さ~ん』と呼ばれたくないから偽名を使っていましたね(笑)」

 

だが由美子さんは、そんな鰻姓についてこうも語る。

 

「たしかに変わった苗字ですが、だからといっていじめられたり悩んだりしたことはなかったはず。それどころか駆け出しのころから先輩に覚えてもらえたり、こうして注目してもらえたりしていますから。あの子は鰻という苗字に感謝しないといけないですね」

 

鰻のような芸歴の長~いコンビになれるか。ご先祖様も楽しみにしているだろう。

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