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「かつては『死ぬまで旅を続けよう!』って話していたんですが、最近はよく道を間違えたり、疲れてバスの中でボーッとしてしまったり……。もうすぐオレも70歳。さすがに3泊4日のロケは体がキツい。でも太川さんに『番組を降りたい』と言ったら、ひどく怒られるんじゃないかと思って、言い出せなかったんです……」

 

頭をポリポリかきながらこう語るのは、漫画家の蛭子能収さん(69)。俳優の太川陽介(57)とコンビを組み、毎回異なるマドンナと一緒にバスを乗り継いでゴールを目指す『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)は、いまや蛭子さんの代名詞−−。

 

しっかり者の太川と、マイペースな蛭子さんのやり取りが視聴者の心をつかんだ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』は、常に高視聴率をマーク。同局の看板番組のひとつだが、番組を支えた蛭子さんと太川が、’17年1月2日に放映される第25弾をもって“卒業”することになった。もしかして太川との確執が……?

 

そんな蛭子さんに、番組の舞台裏、思い出を振り返ってもらった。

 

「最初に企画内容を聞いたときは、ほかの旅番組と同じように気楽なものだろうと思っていました。でも、第2弾の『東京〜京都編』でゴールに向かっていたときに、ディレクターから『このままでは京都にたどり着けません。スタッフの車に乗りましょうか?』と言われたんです。しかし、生真面目な太川さんが『ルールどおりで!』と譲らなかった……。案の定、その回はゴールできずに終わりました。目的地に着かない旅番組なんて、ありえない展開だろうと思ったんですが、そんな“ガチ”なところが視聴者に気に入られたんですかね……」

 

また、太川とはこんな思い出も。

 

「太川さんは、バスの中でよくトランプをやりたがるんです。最後に『ドボチョコリン!』とか叫ぶすごくつまらないゲーム。“自分が考案した”ということもあって、たいてい太川さんが勝つまで終わらない。そんな太川さんの子供っぽいところが大嫌いでしたね(笑)」

 

沖縄県以外、すべて路線バスで回ったという蛭子さん。ロケ先でいちばん記憶に残っている車窓の風景は?

 

「第17弾『山口市〜室戸岬編』での秋吉台の景色は美しかったなぁ。カルスト地形の、岩がいっぱいある山の上を走るんです。そして、のんびり走るバスの旅の楽しさは、地元の人たちの生活まで見えてくるところ。一度、雀荘でマージャンをやったおじさんと、翌日の路線バスで偶然、乗り合わせたことがありました。お互いに顔を見合わせて『何でいるの?』とあぜんとしてしまいましたね」

 

そんな蛭子さんを『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』で見られるのは、いよいよ’17年1月2日で最後になる。

 

「実は、6月放送の第23弾のあと、太川さんに相談しに行ったんです。『体と頭がキツい、もう辞めたい』って。そのときは、何を言われるかとヒヤヒヤしていたんですが、太川さんは『僕も25弾で終わるのが、キリがいいなと思っていました』とオレをいたわってくれたんです。そして、一緒に番組を『卒業したい』と−−。“戦友”として気を使ってくれたのだと思いましたね。最近では、別の旅番組でロケに行くと、現地の人に『あれ、太川さんは?』と言われることがあるんです。太川さんはどう思うかわかりませんが、オレは、ちょっとうれしかったりします(涙)」

 

蛭子さんらしさがもっとも輝く路線バスの旅。最後の旅姿を見逃さないで!

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