「あの世代の中で、抜群にうまい役者だと思っていました。感情が見事に見えてくる芝居の設計が凄くいいな、と」

 

映画監督の是枝裕和(55)がその演技を大絶賛するのは、女優・松岡茉優(23)。カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した『万引き家族』で熱演を見せているが、その陰には、意外な努力があったという。

 

松岡が演じた亜紀は、風俗店でアルバイトをしている。その役作りのために松岡自身が、東京・墨田区の錦糸町にある風俗店に“潜入取材”していたというのだ。実際にロケも行われた「コスプレ見学クラブ コスっちゃお!」の店長が明かす。

 

「映画の撮影は昨年の11~12月に行われたのですが、その前の10月に是枝監督と松岡さんがお店に来ました。1時間ほど店を見学されましたが、松岡さんは真面目で礼儀正しい女性でした」

 

この店は、制服姿の女性が10畳ほどの部屋にいて、その周りに個室が配置されている。男性客は個室からマジックミラー越しに、女性の姿を“見学”するのだ。「JK見学店」と呼ばれることもあるが、女子高生風のコスプレをした女性たちは全員18歳以上だという。

 

「女性はお客さまの目の前に来て、下着を見せながら自分の体を触るなどのパフォーマンスをします。マジックミラー越しなので、女性からは男性の顔は見えませんし、男性から話しかけるのも禁止です。松岡さんからは、女性と男性がどうやってコミュニケーションをとるのか、繰り返し聞かれました」(前出・店長)

 

さらに、チャイナドレスやスクール水着に着替えるといった“有料オプション”の一覧を見て、松岡はこんな質問をしてきたという。

 

「この“学校机と椅子のぞきプレイセット”と“魚肉ソーセージ”って、どんなことするんですか?」

 

その真剣なまなざしにタジタジになりながら店長も真摯に答えた。

 

「“机と椅子”は、女のコの机の下からスカートの中を覗き見してもらうといった使い方をします。また“魚肉ソーセージ”は、女性の舌を使ったプレイの小道具であることなども包み隠さず説明しましたが、松岡さんは『なるほどなるほど~』と真面目な顔で聞いてくれました」

 

赤面することなく質問を重ね、真剣に女性たちのパフォーマンスも見学し、演技に取り入れた松岡。『万引き家族』の熱演はそんな“体当たりの役作り”の成果だったのだ。