「麻生さんは3年前の降板後も、フネさんへの思い入れが強く、自室にフネさんの絵を飾って『これ、私なの!』と嬉しそうに話していたんです……」(長年の友人)

 

国民的アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)で69年10月の初回から15年9月まで磯野フネの声優を務めた麻生美代子さんが8月25日に亡くなった。92歳だった。

 

サザエさん役の声優・加藤みどり(78)は「現場でもムードメーカー的存在なので、麻生さんがいれば安心でした」と故人を悼んだ。

 

「逝去直前まですごくお元気で、穏やかなお顔で旅立ちました。フネさん役を降板後も、『和風総本家』(テレビ東京系)のナレーションは今年3月まで続けていました。年相応の物忘れはあったものの、現場に行けば、一発で決めていたそうです。」(前出・友人)

 

08年、麻生さんは女性自身の『シリーズ人間』に登場し、私生活を告白。

 

「亭主は6歳下。(結婚は)43歳だったし、子どもができない体質ということもあったから、出産は考えませんでした」

 

約40年連れ添った音響ディレクターの夫は05年に脳梗塞で倒れ施設に入所。08年に亡くなった。大家族の母・フネさんを“演じ”ながら、夫も子もなく、10年独りで生活していた麻生さん。最晩年の“元気の源”は、若い役者たちとの交流だと本誌に語っていた。

 

「役者じゃ食っていけない。それは私が一番知っている。だからご飯を食わせてやるんですよ。私はお母さんでしょうか。若い男たちと一緒にいると、若さを分けてもらえるようなかんじ。これが今の生き甲斐ですね」

 

月に2回ほど、若い役者たちを自宅に招いては、手料理とお酒を振る舞っていたという。仕事関係者はこう明かす。

 

「2年前、お酒もタバコも断って以前のような飲み会ができなくなってからも、若い役者たちとはずっと親交が続いていたようです。彼らが麻生さんの様子を見にご自宅に来ることもあったとか。訃報を知り、最後のお別れをするために、お世話になった劇団員がみんな集まったそうです。本当の母のように慕っていたのでしょう」

 

私生活では子供がいなかった麻生さんだが、フネさんに負けない温かい“日本のお母さん”だった。