『東ラブ』、『ロンバケ』…平成前期のドラマにあるヒットの法則

時代の空気や、女性の生き方を映し出し、数々の話題を生んできたテレビドラマ。懐かしの名作と共に“平成前期”をプレーバック! ヒットドラマが映し出した時代のトレンドとは? コラムニストでドラマウオッチャーのペリー荻野さんが解説してくれた。

 

「昭和の最後にヒットしたトレンディドラマは、都会でオシャレに生活しながら、仕事も恋愛も結婚も全部手に入れる“夢物語”が特徴です。しかし、平成に入ると『恋愛はいいものだ』という前提がありつつも、現実を踏まえながら、女性が自らの意思で幸せをつかみ取るストーリーが主流になっていきます」(ペリー荻野さん・以下同)

 

バブル時代に多く描かれた、イケイケで夢や理想に満ちた作品ではなく、’91年のバブル崩壊以降は、景気のよい時代の名残りを惜しみながら、次第に現実に目を向けたドラマが増えていった。

 

「柴門ふみ原作の『同・級・生』(フジテレビ系・’89年)、『東京ラブストーリー』(フジテレビ系・’91年)、『あすなろ白書』(フジテレビ系・’93年)では、主人公は皆ハッピーエンドを迎えるわけではありませんが、大好きな人との別れも自分で選ぶという意味では、自立した女性が描かれています」

 

『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系・’91年)では高学歴・高収入・高身長の“3高男”よりも、真摯に自分を愛してくれる男性(武田鉄矢)、『ロングバケーション』(フジテレビ系・’96年)では反発しながらもお互いをかけがえのない存在だと気づき、年下の男のコ(木村拓哉)を選ぶヒロインが描かれた。そこには厳しい現実に悩みもがきながらも「自分で決める」女性たちの姿があった。

 

また、バブル時代にはアッシー君・メッシー君にチヤホヤされていた女性たちも、ハッと目が覚め、“純愛モノ”に憧れを抱くように。

 

「『愛していると言ってくれ』(TBS系・’95年)、『高校教師』(TBS系・’93年)など“真実の愛”をテーマにした作品がヒットします。『私が手に入れていないものは、もしかしたら純愛なのかも?』と気づいたわけです」

 

同時に、景気の悪化に伴い、“家庭回帰”の傾向が見られたのもこの時代の特徴のひとつ。

 

「『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系・’93年)を筆頭に、話が内向きになる傾向も。外で飲み歩く、街に繰り出して遊ぶのではなく、家を舞台にしたドラマも多く見られました」

 

当時は若手だった野島伸司、北川悦吏子、坂元裕二、井上由美子など、今も活躍する脚本家たちが続々とデビューしていったのも平成前期だった。

 

「北川悦吏子の代表作『ロングバケーション』で、木村拓哉が世間からいっせいに注目されました。以降、キムタク主演のドラマは軒並み大ヒット。誰もが認める二枚目のイイ男が登場したのです」

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