堀ちえみのがん公表が示した「我が子に告知すべきか」の答え

まだ風も冷たい朝7時、東京都内の自宅付近で、テキパキとゴミ出しにいそしむ少女がいた。彼女は高校1年生のSさん(16)。タレント・堀ちえみ(52)の長女であり、夫の連れ子も含めた7人の子供たちの“末っ子”にあたる。堀は2月19日にステージ4の舌がんであることを公表。本誌がSさんを目撃したのは2月22日の朝、11時間に及ぶ大手術の直前だった。

 

「手術当日である22日、堀ちえみが事前に収録していた『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』が放送されました。番組には娘たちからもらった手紙を読んで、堀が涙ぐむ場面もありました」(芸能関係者)

 

長女Sさんは、がんと闘う母へこんなメッセージを送っていた。

 

《私も春から高校二年生だし、みんなそれ以上だから全然兄弟で手分けして家事はできるよ。入院するにあたって、家の事がどうしても心配だと思います。でも安心して治療に専念してください》

 

“お母さんがいない間は私が家を守る”、Sさんは母に送ったメッセージどおり家事に励んでいたのだ。

 

堀はこれまでも3度の難病指定の病に襲われた。特発性重症急性膵炎(現在は難病指定外)、特発性大腿骨頭壊死症、そしてリウマチ。家族たちのため、それらを乗り越えてきた彼女だったが、ステージ4の舌がん宣告には心を折られてしまったという。彼女はブログで次のようにつづっている。

 

《『自分の人生、悔いなし』『このまま治療せずに人生の幕を閉じてもいいのかな』と正直そういう事も考えました。公表せずにいようとも考えました》(2月19日付)

 

堀も舌がん治療についてスマホでなどで調べたが、一時は手術を受けずに緩和ケアを受けて残された時間を過ごそうと考えていたという。だが自分の手術は避けるとしても、もう1つ決断しなくてはいけない問題があった。それは子供たちのへの告知をどうすべきか、ということだった。

 

《子供たちに隠さないで、きちんと説明をした方がいいのか。癌という事は伏せた方がいいのか。(夫と)ふたりで話し合いました》(2月19日付)

 

結局、堀と夫は“子供たちに、ありのままの状況を話す”という決断を下したが、その結果は堀にとって予想外のものとなった。子供たちはそれぞれ大きなショックを受けた様子だったというが、そのなかでもポロポロと大粒の涙を流しながらSさんが語る言葉に、堀は胸が張り裂けそうな思いになったという。

 

「リウマチのお薬のおかげでやっと良くなって、全身の痛みから解放されて、今度はがんだなんて、つらすぎる」

 

《「お母さんは病気ばかりで可哀相な人生だった」と… そういう思いを、子供たちの心に残したままで、闘いもせずに諦めて良いのだろうか…》(2月19日付)

 

堀の闘病方針を大転換させることになった“子供たちへの告知”。その問題について、がんになった親と子供を支援するNPO法人『Hope Tree』の代表理事を務める大沢かおりさんは言う。

 

「大人からすると、がんであることを伝えると、子供たちを不安にさせてしまうのではないかと思うのですが、実はきちんと伝えることで、子供たちの不安を和らげることができるのです。子供は“大人の隠し事”にも、意外に気づいてしまうものです。それなのに病気の話題にふれることもできないと、余計につらい思いをしてしまいます」

 

堀の子供たちは、28歳の長男から16歳の長女まで12歳の年の差がある。

 

「年齢で疎外すべきではありません。子供たちにとっては、きちんと状況を教えてもらえて、“家族の経験の輪”に入れてもらえたということは大切な経験となると思います」

 

堀自身も子供たちといっしょに病気に向き合うことによって“家族の絆がさらに強まった”と語っている。つらい術後生活やリハビリも続いていくが、堀は夫と7人の子供たちを心の支えにして乗り越えてくれることだろう。

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