オダギリは出席者を常に気遣っていた。 画像を見る

冷え込みの厳しい1月中旬の夜8時、都内にあるカジュアルなイタリアンの店に次々と人が押し寄せる。その人数、約40人。30分前にいちばん乗りしていたのはツナギ姿に個性的な帽子、赤いブーツ姿のオダギリジョー(43)だった。

 

「この会は昨秋公開された彼の初監督映画『ある船頭の話』関係者の新年会でした」(映画関係者)

 

主演・柄本明(71)演じる船頭の前に突然現れた身寄りのない少女。一緒に暮らし始めるうちに彼の人生も変化していくストーリーだ。

 

「実際はキャストやスタッフを改めてねぎらう会でした。オダギリさんは『海外の映画祭で賞を頂いて思いがけず賞金をもらったから、皆さんに還元しなきゃと思って』と挨拶していました。もちろん柄本さん、共演の永瀬正敏さんらも来ていました」(前出・映画関係者)

 

この作品でオダギリはトルコのアンタルヤ国際映画祭で邦画初の最優秀作品賞を獲得している。

 

「賞金は日本円で120万円ほどでした。受賞時から彼は『皆さんのおかげです』と謙遜していました」(前出・映画関係者)

 

実はこの映画、オダギリが“残された自分の時間を考えた”末にできあがった映画だという。

 

「“健康診断の結果があまりよくなかった”ことが長編映画の初監督をするきっかけだったそうです。長年、監督業を手掛ける気持ちはあったものの“俳優という立場を利用している”と誤解されるかもしれない懸念があって、ずっと踏み込めなかったそうです。『今後の自分の人生を考えて一念発起した』と話していましたね。幸い、精密検査の結果、命に関わる病状ではなかったそうですが、慣れない監督業の心労で、20カ所近い口内炎に悩まされたそうです」(前出・映画関係者)

 

出席者の中には、今作の出演者でオダギリの小学校の同級生でもある次長課長の河本準一(44)も。会費を払おうと河本は財布を出したが、オダギリは頑として受け取らない。代わりに熱い握手を交わし、深々とお辞儀をして見送った。

 

夜11時過ぎ、新年会は終了。最後まで参加者を見送ったオダギリは最後に店を出た。帰ると思いきや、店の外で待っていたスタッフ数人と近くの居酒屋へ……。彼の“還元”は深夜まで続いたのだった。

 

「女性自身」2020年2月4日号 掲載

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