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世間は新型コロナウイルスの話題で持ち切りとなった昨今。みなさん、東出昌大さん(32)の不倫のことを覚えているでしょうか。

 

そろそろ主演ドラマ「ケイジとケンジ」が終了し、それ以降は先が見えていない東出さん。なにより問題視されているのが、発覚してから約1カ月たった今でもご本人から謝罪の言葉がないことです。

 

一部では、ドラマやスポンサーの絡みがあってのこととも言われています。ただそれでも文書で発表をすることは可能なわけで、やはり対応不足は否めません。

 

先日発売された週刊文春では記者に対して語った懺悔が報じられていましたが、「記者に懺悔するくらいなら、公式発表しろよ」と思ったのは私だけではないはずです。

 

また別の話題によって注目度が下がってしまった今、さらなる苦境が彼を今後襲うでしょう。それは、社会的な対応不足による問題の長期化です。

 

■令和の時代に求められるスタンダードは、2つの対応

 

不倫など極めて私的な問題が起きた場合、正直言って「社会的な制裁は必要ないのでは?」と思う人もいるでしょう。私も「不倫=悪=自粛」といった過剰な流れには、首をかしげるタイプです。

 

とはいえ今は芸能人に限らず、何ごとも好感度や立ち位置でサクサクと判断されがちな世の中です。

 

不倫に限らず、スキャンダルは一般的に売れっ子であるほど話題性が大きくなるもの。印象で判断される時代であればあるほど、「私的な対応(当事者への対応)」と「社会的な対応(取引先や友人関係への対応)」の2つを分けて問題に当たった方が良さそうです。

 

■東出不倫から考える、社会的な対応不足がもたらす弊害

 

「人の噂も七十五日」ということわざがあります。人の興味関心は新しい話題がなければ、だいたい3カ月くらいで薄れていきます。

 

しかし人が印象で物事を判断する時代において、話題性が薄れていくのを待つのは非常に危険かもしれません。

 

なぜなら、「興味関心が薄れる=話題の印象が固定化される」ことだから。今回でいえば「東出昌大=優等生俳優だったけど、実は妊娠中に不倫をしていて、さらに謝罪対応すらもできないダメ男」なんてイメージが、人々の中で固定化されてしまうのです。

 

そうなると話題は忘れられてもイメージだけが残り、復帰を含め挽回には時間を要します。

 

現在の東出さんは、後悔の気持ちで社会的な対応をする気持ちにすらないかもしれません。しかし家族関係の修復など待たずに、いったん社会人としての姿勢は示すべき。そうしないと、さらに今後は辛い状況が待っているかもしれません。

 

■社会的な対応は一般人も必要になってくる

 

この印象がもたらす一連の流れは、何も芸能人に限った話ではありません。

 

評価する私たちの視点が印象でしか見なくなっていくということはつまり、自分が問題を起こしたときも印象でしか見てもらえなくなるということです。

 

たとえば日常のトラブルでは不倫だけでなく、社内恋愛やSNSでの発言、普段の態度の悪さなどが上げられます。

 

1つ1つの行動には、自分の中で一貫した理由があるのかもしれません。ただ周りの人はあなたの人間性の印象と、できごとの印象でしか判断しなくなっていきます。

 

それが嫌なら、ちゃんと事情を伝える努力をする。または「印象どおり」という状況を作っておく(難しいかもしれませんが)。

 

相手に嫌われることをビクビクする必要はありませんが、そういう評価軸の社会に生きているという自覚はあなたの身を助けることにつながります。

 

■そもそも時代は「いい子」でいる意味がない時代

 

今回の話は、「印象」という漠然としたものがカギを握っています。つまり印象をどう作り、どう変えていくかという視点を持つことで、人はより生きやすくなるという話。

 

東出さんの場合も「いい子」という印象が、問題を非常に大きくさせています。

 

・いい子のくせに不倫していた
・いい子のくせに育児もしてなかった
・いい子のくせに逃げている

 

こうして頭に「いい子」がつくだけで、人の印象は大きく変わります。そう考えると人に嫌われないように生きること、人から良く思われるために振る舞うことって今の時代は諸刃の剣でもあります。

 

別に「あいつは何言ってもムダ」的な立ち位置を狙わなくてもいい(そういうポジションで得をしている人もいますが)。ただ過剰ないい子演出をしている人はそろそろ鎧を脱ぎ捨てたほうが、逆に自分の身を助けるかもしれません。

 

文・イラスト:おおしまりえ

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