入院直前も「気をつける」と語っていたという……。 画像を見る

「4月3日に(大和田)獏さんから『妻が体調を崩した』と連絡があったんです。翌日、すぐに本人と電話で話をしました。『咳は出るの?』と聞いたら『少し』と言っていたので、『コロナだったら嫌だね』と話したのを覚えています。彼女も『わかった、気をつけるね。外出しないようにする』と言っていたんです。彼女とはもう、40年以上の付き合いでね。親友みたいな関係でした。まさか、それが最後の会話になってしまうなんて……」

 

そう語るのは、岡江久美子さん(享年63)が所属していた「スタッフ・アップ」の代表取締役・戸張立美氏(70)だ。

 

4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江さん。3日に発熱し、自宅で静養していたという。だが、6日に容体が急変。都内の病院に緊急入院してPCR検査を受けた結果、陽性と診断された。その後もICUで人工呼吸器をつけての懸命な治療が続けられたが、帰らぬ人となった。

 

「最後に会ったのは、3月27日。仕事の打ち合わせでした。彼女はしっかりマスクをしていて、『お互い、気をつけようね!』なんて元気に言っていました。3月もバラエティ番組の仕事が入っていたのですが、コロナの影響で次々となくなりました。実は、CMの撮影も予定されていたんです。でも今はできないということになって、延期しました。落ち着いたら、また始まるはずだったのに……」

 

その気さくな人柄は、プライベートでも変わることがなかったという。近所の主婦が語る。

 

「3年前に引っ越しのご挨拶にうかがったら、岡江さんのご自宅だったんです。テレビのままの笑顔で『じゃあ、これからはご近所さんですね。仲よくしましょうね!』と言ってくれました。本当に優しい方でした。お会いすればいつも彼女から笑顔で声をかけてくれてね。明るくて気取らない、素敵な女性でした」

 

仕事関係者からも慕われていた。テレビ局関係者がこう明かす。

 

「新人や若手スタッフにも分け隔てなく優しくしてくれました。僕がラーメン好きだという話をしたときも『ちゃんと野菜も取らなきゃダメよ!』と言って、ヘルシーなレシピを教えてくれて。ご自身もお孫さんの写真や動画を見せてくれたりして、プライベートな話も隠さずしてくれたんです。みんなに優しくて、とても親切な方でした」

 

昨年12月には乳がんが見つかり、今年1月末から2月中旬にかけて放射線治療も行っていたという岡江さん。大和田家の知人はこう語る。

 

「乳がんになってから、岡江さんはより健康に気を使っていました。懸命に生きようとしていたんです。入院した当初、岡江さんは獏さんにメールを送っていたそうです。でも人工呼吸器をつけてからは連絡も取れず、そのまま旅立ってしまいました」(大和田家の知人)

 

夫の大和田獏(69)は感染防止策を取ったうえで遺体と対面できたものの、火葬に立ち会うことはできなかったという。そして24日夕方、彼女は遺骨となって家族の待つ自宅に無言の帰宅を果たした。そのとき、大和田はこう語っていた。

 

「こんな形の帰宅は本当に残念で、悔しくて、悲しいです。どうか皆さんも、くれぐれもお気をつけください。それが、残された家族の願いです――」

 

いつも周囲を気遣っていた岡江さん。その言葉は、きっと天国にいる彼女の願いでもあるはずだ。

 

「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載

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