「公演を行うためには、多額の費用がかかります。劇場代はもちろんのこと、照明などの機材費も必要になってきます。さらには、スタッフの人件費や出演者へのギャラも。チケット代の半分ほどが、そうした支払いへと消えていくこともあります。小泉さんは舞台技術にいろいろな工夫をしようとしていたので、費用は通常以上にかかっていたと思います。

 

いっぽう新型コロナへの感染防止対策のため、劇場では客席の間隔を広く開けることが求められることになりました。そうなると客席を大幅に減らさなければならず、満員御礼でも赤字になってしまう可能性が出てくるのです。だから、彼女も中止せざるを得なかったようです。

 

小泉さんはギリギリまで、野田秀樹さん(64)や渡辺えりさん(65)などに相談していたと聞いています。特に渡辺さんとは文化芸術復興基金の早期創設を目指すプロジェクト『#WeNeedCulture』をともに進め、コロナ禍で苦境に立たされている映画・舞台・ライブなどへの支援を訴えてきましたからね。しかし政府は休業要請をしておきながら、まともな補償もしてくれませんでした……」

 

それでも彼女は、完全には諦めていないという。

 

「周囲には『配信でもやりたい。来年以降に必ずやる!』と言っているそうです。もし彼女がクラウドファンディングなどで募集をかければ、すぐに資金は集まるはず。この舞台が日の目を見るのも、そう遠くないかもしれません」

 

苦渋の決断を下した小泉。その悔しさをバネに、早くも次のステージへと向かっているようだ。

 

「女性自身」2020年7月7日号 掲載

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