二階堂ふみ 祖母が認知症に…『エール』に秘めていた悲痛決意

「朝ドラはこの数年、有名な女優がヒロイン役に起用されてきましたが、今回は窪田正孝さんが主演。ヒロイン役は公募でした。すでに数多くのドラマや映画で主演している二階堂さんはわざわざ今回のオーディションを受け、2,802人の中から選ばれました。そこまでして出演したいちばんの理由が“沖縄の祖母に元気な自分の姿を見せられる”ということでした」(ドラマ関係者)

 

昨年6月、二階堂ふみ(25)は『エール』の記者会見でこう語っている。

 

「祖母が沖縄戦を体験してまして、傷や歴史的なものを抱えて懸命に生きてきた方。そんな祖母が楽しそうな顔をするのは音楽を聴いているときや何か面白いものに触れている瞬間。きっと、この作品もそういう作品になると思います」

 

ひとりっ子だった二階堂。小学4年生のときには、すでに「女優になってテレビに出たい」と同級生に語っていた。古着店でスカウトされ、小6でタウン誌『沖縄美少女図鑑』で表紙デビュー。女優デビューは中学1年生だったが、これは家族の協力なしでは果たせなかったことだ。

 

「彼女の芸能界入りをバックアップしたのは映画好きで教育熱心な母親でした。琉球空手やバイオリン、英会話など数多くの習い事に通っていました」(沖縄時代の知人)

 

二階堂は、母親との関係について『文學界』’15年9月号でこんなふうに語っている。

 

《母と娘である以上、見せたくない何かってあるじゃないですか。私もそうなんですけど、とにかく「察知されたくない」という思いが強いんです。(中略)母親には話せないことがたくさんあります》

 

そんな母との“クッション”になり、関係を緩和してくれたのが祖母だったという。高校進学を機に上京した二階堂だが、沖縄の祖母とは定期的に連絡を取り合っているそうだ。

 

「おばあちゃんは孫が出演するテレビ番組を定期的にチェックしているそう。4年前に二階堂さんが『ゴチになります!』にレギュラー出演して37万円の負けを喫したときは、『あなたダメよ~、もうちょっとちゃんと探究しなさい!』と本気でダメ出しされたそうです」(テレビ局関係者)

 

二階堂は“おばあちゃんの知恵袋”を女優業にも生かしていた。

 

「ドラマや映画の撮影は早朝から始まることも多い。低血圧の二階堂さんはいつでもガウンや毛布を羽織える準備を整えていました。おばあさんに『体が冷えないようにしなさい』と言われて育ったそうで、どんなに忙しくても冷え対策だけはしっかりしているそうです」(映画関係者)

 

NHK関係者によれば、二階堂は『エール』のオーディションに背水の陣で臨んでいたという。

 

「オーディションを受ける前、彼女の祖母はすでに認知症を発症していたそうです。発症がわかったときに彼女は“少しでも一緒に過ごしたい”と祖母とパリ旅行に行ったとも聞いています。“祖母を少しでも元気づけたい”と、このオーディションに挑んだそうです」

 

実際、発売中のフォトブック『二階堂ふみinエール』(東京ニュース通信社)のインタビューで、二階堂は今回のオーディションを受けた理由をこう語っていた。

 

《沖縄戦の中でもいちばんの激戦地を生き抜いた私の祖母が、アルツハイマーになったということも理由のひとつにあって。(中略)幸いまだ祖母は私が孫であることを認識できているので、もし『エール』に出られたら、毎朝おばあちゃんに自分の顔を見せられるんだなって》

 

認知症に詳しいパークサイド脳神経外科クリニック・近藤新院長はこう語る。

 

「二階堂さんのおばあさまの症状は初期から中期だと思われます。コロナによって施設の面会や帰省ができなくなり、認知症が悪化する例も多くなっています。今回の二階堂さんの行動のように、毎日おばあさまがテレビで孫の顔を見ることができて、今までのように応援できるというのは認知症の進行予防策としてはとてもよいことだと思います」

 

公益社団法人認知症の人と家族の会の鈴木森夫代表理事もこう力説する。

 

「基本的に施設でも自宅でも、家族が顔を合わせることは大事です。離れて暮らしている場合、家族の写真を見るように促したり、テレビ電話などで話すことで、記憶をとどめることに効果があります」

 

私の顔を忘れないでいてもらうためにも――。彼女の演技が視聴者だけでなく、愛する祖母の生きる原動力になっていた。

 

「女性自身」2020年7月7日号 掲載

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