7月に急逝した俳優の三浦春馬さん(享年30)。四十九日を迎えても、いまだ悲しみの声はやまず……。その類まれなる才能を、本誌秘蔵カットと座談会で振り返ります。題して、「追悼・春馬さんに届け」――。
【’06年】ドラマ『14才の母』
中学生の妊娠を扱った衝撃作。思春期の感情の揺れを16歳にして好演。いっぽう取材では「サッカーが得意で、休みの日は友達と映画に行ったりします」と高1らしい素顔をちらり。
【’08年】ドラマ『ブラッディ・マンデイ』
連ドラ初主演は18歳で。高校生の天才ハッカー役を演じた。当時はパソコンが苦手で「役のためにタイピング練習しました」。同級生役の佐藤健とは鍋料理を食べに行く鍋友とも。
【’10年】映画『君に届け』
原作は大人気の同名コミック。クラスの人気者・風早くんを演じるにあたり「演技面だけでなく、サラサラ髪にしようと毎日トリートメントしました(笑)」とお茶目に語っていた。
【’12年】ドラマ『東野圭吾ミステリーズ』
当時22歳にして俳優生活は15年目だった三浦さん。“質問への受け答えは丁寧で、撮影中も気づかいができる気さくな人”というのは、取材した記者たちの共通意見でした。
【’13年】ドラマ『ラスト・シンデレラ』
「色気がやばい!」と話題になったドラマの瞬間最高視聴率は20.9%! 去年の『TWO WEEKS』では父親役を演じ、渋みの増した大人の男性役も見られると思っていた……。
【’17年】大河ドラマ『おんな城主 直虎』
『武蔵 MUSASHI』(’03年)、『功名が辻』(’06年)に続いて3度目の大河は、ヒロイン直虎の許婚・直親役で登場。太陽のように明るく屈強な体の青年。笑顔も素敵でした。
【’19年】ミュージカル『キンキーブーツ』(再演)
代表作のひとつにふさわしい’16年の『キンキーブーツ』では第24回読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞。再演時もチケットは瞬く間に完売。変幻自在ぶりで私たちを魅了してくれました。
記者A(30代)「『14才の母』で三浦春馬という俳優に注目するようになりました。自然体な演技がすごく印象に残っています」
記者B(40代)「そういう人は多いと思います。個人的に好きだった作品は『ブラッディ・マンデイ』。緊張感のある演技がよかった!」
編集C(20代)「私が10代のころは『恋空』や『君に届け』がとても人気があって、三浦さんは爽やかイケメンの象徴でした」
記者B「取材では最初のターニングポイントとなった作品は『恋空』と言っていたかな。『僕のいた時間』もよかったですよね。ALSでだんだん体が動かなくなる演技は大変だったと思う」
記者A「好きな作品に『僕のいた時間』を挙げる人は多いですよね」
記者B「彼が演技派や実力派と言われるようになった作品かも。『ラスト・シンデレラ』もいい」
記者A「ですよね! 『ラスト・シンデレラ』では大人の色気を発散していて萌えました。これと『僕のいた時間』で第51回ギャラクシー賞(テレビ部門・個人賞)を受賞して。ふり幅がすごい」
編集C「色気の出し入れができる人なのでしょうか?」
記者B「そうかもしれない。かっこいい役も情けない役もできる。子役から順調に出演し続けステップアップしてきた、今までにないタイプの俳優だったと思います」
記者A「歌も踊りもできて、独自の道を歩んできた。もっと彼の活躍が本当に見たかったです」
「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載