“困惑”しながらも、母の希望をかなえてあげたいと願うサクラ。しかし、実際に葬儀でミラーボールや棺桶に寄せ書きなどは実現可能なのだろうか。終活カウンセラー協会の代表理事・武藤頼胡氏はこう語る。
「個性的なお葬式は、お寺などの宗教的な場所では難しいかもしれませんが、ロックでダンスなどなら、今は葬儀会館でならできるところはかなりあります。ミラーボールはさすがに見たことはないですが、昔よりも個性的なお葬式を抵抗なく考える人が増え、葬儀社もいろいろやってくれるようになりました。準備する側は大変ですが、それでもある程度の希望はかなえられると思います」
最近では“その人らしさ”がにじみ出るお葬式を検討するシニアが増えているという。
「昔と比べて、個性的なお葬式を『不謹慎だ!』などと毛嫌いしない風潮になってきました。その人が生きてきた証しとなるようなお葬式は、『そうそう、こういう人だったよね……』と、残された側にとっても力になります。少しでもいいお葬式にして、ご家族が『最後にこれをしてあげられた』と思えることにも価値があると思います」
母・和津は昨年、雑誌のインタビューで“今は孫の顔を見ることが生きがいのひとつ”と明かしながら、笑顔でこう言い切っている。
《うつ抜けした今、やりたいことは山ほどあるのよ。(略)子育ても介護もいつかは終わるのだから、『誰々のママ』や『誰々の娘』という役割だけで終わらないで、自分を持ち続けないと。私は介護のためにいったん自分を捨ててしまったけど、今はすっかり取り戻したので、これからはわがまま一杯に好きなことをやってやろうと思います(笑)》(『からだにいいこと』’19年2月号)
“最後のわがまま”を反映した、彼女らしい終活プランだ。
「当初、サクラさんは長女出産後、女優業を続けることに消極的でした。そこへ舞い込んだ朝ドラ『まんぷく』のオファー。悩んだ彼女が和津さんに相談したら『子どもとは一日中一緒にいなくても、濃い時間を過ごせば大丈夫。あなたは一人の女性として女優を続けるべき。私も仕事で定期的に大阪に行くから』とサポートを約束され決断したそうです」(前出・安藤家の知人)