普通の病気だと入院して治療して完治させれば、そこで治療はいったん終了です。しかし依存症は完治というものがなく、毎日、回復の積み重ねを一生続けていきます。でも一生続ける回復のためのプログラムとは、どういったものになっているのでしょう。
「各団体によってプログラムは異なります。私たちの団体では、心も体も思考も健康であろうという『ウェルビーイング(well-being)』の考えを概念として持ち、ポジティブ心理学をベースにカリキュラムを作成しています。
よく『認知行動療法』や『12ステッププログラム』などを取り入れているところもありますが、『なぜ私は悪いことをしてしまったのか』といったネガティブな側面にだけ注目するようなプログラムだと根本的な回復に繋がりにくいと私たちは考えています。
プログラム終了後も生き直しができるように自分を知り、さらに自分を伸ばすということを目的に回復プログラムを提供しています」
芸能人の場合、逮捕・出所後は入院施設に入ることが少なくありません。ただそれは、本来なら離脱症状や幻聴幻覚の多い重症な方がすることなのだといいます。
また「依存症の治療=入所して徹底的に回復にあてる」というイメージがありますが、中程度な方は通いながら回復プログラムをおこなうことも可能(施設の方針によります)。
持病の治療や心の病と並行しながらの方も多く、本当にケースによって回復状況なども異なるといいます。