偉大なスターたちの訃報に、日本中に衝撃が走った2020年。思い出されるのは、決して色あせない数々の功績と、人々に元気を与えてくれた笑顔。そんな故人と親交が深かった方々から届いた、愛あふれるメッセージを紹介。題して、「盟友がスターへ贈る、最後のラブレター」ーー在りし日の姿に、心からの哀悼の意を表して。
■志村けんさん(享年70・コメディアン・3月29日没)へ。ラサール石井(65・タレント)
『志村魂』では、志村さんは毎年お母さんを招待して、三味線のコーナーのフリートークで、「今日は母が来てます。お母さん。産んでくれてありがとう」と、はにかみながら欠かさず挨拶していました。
結婚したいと本気で考えていたのも、お母さんに孫の顔を早く見せてあげたいという思いからでした。
そんな優しい方でしたが、それをストレートには出しませんでした。照れ屋で人見知りで、本当に腹を割った仲でないと、思った事の半分も言えない。それもお酒の力を借りないとなかなか本音が出てこない。ものすごくシャイで繊細な方でした。
そのかわり好きになった人は徹底的に愛しました。その人の芝居を嬉しそうに眺め、あうんの呼吸でつっこんだり。わざとくさしたり、ゲラゲラ笑ったり。とにかく人間が、それも少し欠点のあるような人間が、大好きでした。
笑いのために人生の大半を賭けていました。そのため孤独を酒で癒していました。孤高の求道者でした。今は天国で思い切りお母さんに甘えていることでしょう。もっともっと笑わせて欲しかったけど、ゆっくり酒を飲んで休んでください。
「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載