役所広司 稼げない役者を名優にした“恐妻のダメ出し39年間”
画像を見る 番組でさえ子夫人の呆れた口調のモノマネまで披露した役所

 

■飽きないのは役者の仕事と妻だけ

 

前出の知人が続ける。

 

「若いころに苦労をかけたからか、役所さんはものすごい恐妻家なんです。奥さんは仕事には妥協は許さない人です。役所さんはいつも奥さんの評価に戦々恐々としています。

 

役所さんの現場マネージャーには、関係者の間で“日報”とも呼ばれているレポートの提出が課せられています。“何時、○○氏と打ち合わせ。その後、雑談”“何時、昼食。メニューは……”など、マネージャーがこと細かく1日の出来事をまとめて、社長である奥さんにメールなどで報告しているのです。

 

また不倫愛をテーマにした映画『失楽園』については、役所さん本人も“出演するかどうかを奥さんに相談した”と語っていました。日々のスケジュールから、どんな仕事を受けるかも、さえ子夫人がしっかり管理しています。役所さんの成功は、もちろんご自身の努力の賜物です。しかし半分は、さえ子さんの功績ともいえると思います」

 

キャンピングカーを衝動買いしたものの、結局一度もキャンプにはいかず……といった飽きっぽいエピソードにも事欠かないという役所。だがその彼が“飽きないこと”は2つだけあり、それが俳優という仕事と、さえ子夫人なのだという。

 

「’98年に『週刊文春』で阿川佐和子さんと対談したときの見出しが《飽きっぽいのに役者と女房だけは続いています》でした」(前出・知人)

 

冒頭で紹介した『サワコの朝』で、役所はこんなエピソードも明かしていた。

 

「乾燥しているから加湿器を2台くらい回しているんですけど、水が意外と重たいから、僕がけっこう替えていたんですよ。でも今朝かな、(妻から)替えてって言われていたのを忘れてたんですよ。替えようかなって思っていたら、(すでに)替わっていて、(妻が)『(私が)やりました』って……」

 

さえ子夫人の呆れた口調のモノマネまで披露した役所。

 

そのときの様子について、前出の知人は、

 

「似ているがどうかは置いておいて、奥さんへの深い愛情を感じました。さえ子さんについて珍しく語ったのは、長年支えてくれた彼女への役所さんなりの“ラブレター”なのだな、と思いました」

 

39年間に及ぶ結婚生活のなか、仕事や家事への、さえ子夫人のたゆまぬダメ出しが、名優の演技を磨き続けたのかもしれない。

 

「女性自身」2021年3月9日号 掲載

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