4カ月後に開催を控える東京五輪にまつわる“失態”が後を絶たない。2月に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長(当時)の森喜朗氏(83)が女性蔑視ととれる発言で会長職を辞職。
3月17日には『文春オンライン』で、同五輪で開閉会式の演出を統括するクリエイティブディレクター・佐々木宏氏(66)が、お笑い芸人の渡辺直美(33)に対して侮辱的な演出案を提案していたことが報じられた。
同サイトによると、昨年3月、佐々木氏は開閉会式の演出案を検討するメンバーのグループLINEで、渡辺を豚に見立てた案を提案。しかし、すぐに他のメンバーから「理解できない」などと強く非難され、提案は撤回されたという。
同日、佐々木氏は《オリンピック開会式のアイデアフラッシュを仲間うちでやり取りする中で、私のアイデア及び、発言内容に、非常に不適切な表現がありました》と報道を認め、《渡辺さんにはどのようにお詫びをしてもしきれないと思っています》と謝罪。そして、総合統括の座を辞する意向を表明した。
一連の出来事はすぐさま海外でも報じられるなど、大きな波紋を広げることに。そんななか、報道翌日の18日、渡辺は所属する吉本興業を通じてコメントを発表。
冒頭、開会式への出演オファーを受けるもコロナ禍で白紙になっていたことを明かしたうえで、《最初に聞いていた演出とは違うこの様な報道を受けて、私自身正直驚いております》と今の胸中を告白。続けて、こうつづっていた。
《表に出る立場の渡辺直美として、体が大きいと言われる事も事実ですし、見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいております。
私自身はこの体型で幸せです。なので今まで通り、太っている事だけにこだわらず『渡辺直美』として表現していきたい所存でございます。
しかし、ひとりの人間として思うのは、それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っております》
それぞれの個性を尊重し合うことの大切さを呼びかけた渡辺。かねてから渡辺はこうした姿勢を貫き続けてきた。
「テレビ番組でも自らの体重を公表するなど、渡辺さんはずっと“ありのままの自分”を大切にしてきました。様々な体型の女性がファッションを楽しめるようにと、サイズ展開の幅広いファッションブランドもプロデュースしています。そうした渡辺さんの姿が、多くの女性から共感を集める理由なのでしょう」(ファッション関係者)
かつて渡辺はファッション誌のインタビューで、こうメッセージを送っている。
《(世の中の人が)自分の体を否定せず好きになってほしいと思う。それは太りたくても太れない人でも背が低い人でも同じ。どんな体形も素敵なんだと発信し続けたい》(19年4月29日『ハーパーズ バザー』公式サイト)
今回の騒動に対しても、変わらぬ姿勢を示した渡辺にSNS上では称賛の声が相次いだ。
《渡辺直美さん、かっこいい!尊敬しちゃうなぁ。ますます好きになった》
《素敵なコメントでちょっと泣けた》