《BSの番組で、作った物を、500円なら買ってやってもいい、と笑われました。悲しくて、、、、手芸は材料費しか見られないからなあ。なにか一つでも作ったことのある人ならわかるのになあ。本出すのに、こりゃ困ったぜ》
5月12日、Twitterでこう吐露したのはお笑いコンビ・オアシズの光浦靖子(49)。手芸作家でもある光浦は、複数人のメンバーからなる手芸集団「ブッス!手芸部」の部長を務めている。冒頭のツイートは、「ブッス!手芸部」の公式アカウントから発せられたものだった。
13日18時現在で6,000件以上リツイートされ、光浦に同情する声が寄せられている。
《作り手に回った事が一度でもあればこの気持ち、痛い程分かる》
《手芸やる身としてはとてもよくわかる。材料費だけじゃない手間やら工夫やらもこもってるんだよ》
《誰かを笑いものにする方向性の番組作り、いい加減に受けないって気づけばいいのに。だからみんなテレビ見なくなるんだよ…》
あまりに反響が大きかったためか、光浦は《ごめんなさい。「買ってやってもいい」とは言われてないです。何日もかけて作ったものを、「こちら、一般の人にいくらまでなら出せる? と聞いて最高金額500円でしたー!」スタッフ大爆笑、です》と説明。
しかし続くツイートで、《バカにした笑いでした。そんな趣旨の番組とは聞かされず、何日もかけて作品を作らされ、、、、、、、、》と悲しさを滲ませている。
’12年6月に初めて手芸本『男子がもらって困るブローチ集』を上梓し、’14年1月には2冊目となる『子供がもらって、そうでもないブローチ集』を発表した光浦。クオリティが高くユーモア溢れる作品は瞬く間に評価され、“ニードルフェルトのカリスマ”とも呼ばれるようになった。5月29日には、3冊目となる手芸本『私が作って私がときめく自家発電ブローチ集』が発売される予定だ。
「光浦さんが手芸を始めたのは、小学3年生の頃だといいます。ひとつの作品を完成させるのに、6、7時間もかかることがあるそうです。確かに手芸は地道な作業ですが、人前に立つ芸人でもある光浦さんにとって“無心になれるひと時”のようです。光浦さんは『これほど夢中になれるものはない』と語るほど、手芸を愛しているのです」(手芸雑誌関係者)
昨年10月15日に配信された『文春オンライン』では、芸歴28年が経っても自身が身を置く環境について「頑張り方がわからない世界」と語っていた光浦。いっぽう、「この世界の物差ししか持ってなくて、仕事がない=価値がない、としか思えなくなってしまいました。自分に満足するもしないも、他人からの評価でしか決められない。このままいくと、私はいつか、壊れるな。どうにかしなきゃ」と不安をのぞかせていた。
光浦にとってライフワークでもある手芸。番組スタッフの扱いは、繊細な光浦の自尊心を大きく傷付けてしまったのではないだろうかーー。