東京都世田谷区の閑静な住宅街からほど近くにある公園。数々の草木のなかでも目を引くのが、このエリアの名木で、日本を代表する名優がでたヒマラヤスギだ。初夏、静かにそびえ立つその姿はまるで、 “相棒”の喪に服しているようだった――。
「マネージャーが今年2月に田村さんと電話した際は、『コロナが落ち着いたら一緒に食事をしよう』と元気に話していたそうです。しかし、その直後に風邪をこじらせて緊急入院。コロナ禍で、妻の和枝さんも面会を制限されており、死去の報せもごく一部の関係者にしか知らされませんでした」(スポーツ紙記者)
4月3日に心不全のため、都内の病院で亡くなった田村正和さん(享年77)。『パパはニュースキャスター』(TBS系)や『古畑任三郎』(フジテレビ系)などの演技で世代を超えて愛された大スターだ。
死去から1カ月半後に届いた訃報には、日本中が深い喪失感に包まれた。かつて田村さんと共演した木村拓哉(48)はこう悼んだ。
《ユーモアがあって、あったかい想い出しかありません。ご自身に厳しくされてきた分、ゆっくりと休んでください》
訃報の翌日、田村さんが’88年に建てた墓を訪ねると、線香をあげるファンと思しき男女の姿が。そして、墓石の横に生前は朱で塗られていた「正和」の文字は、黒く塗りつぶされていた――。