(撮影:福田ヨシツグ /(C)Disney) 画像を見る

初日のチケット販売数は歴代1位の23.9万枚! あの『アナと雪の女王』(NOMURA 野村證券ミュージカルシアター JR東日本四季劇場[春]にて公演)がこのたび、劇団四季のミュージカルとなった。大注目作の全貌はいかに? 本誌記者が見どころレポート!

 

劇場に入るとすぐ目に飛び込んできたのは、舞台の緞帳に映し出された、世界観を表す映像と作品のタイトル。どこか映画の冒頭をほうふつとさせる演出は、映画版を愛するファンを舞台に誘う架け橋のように感じられた。

 

本作はヤングアナとヤングエルサのシーンから始まる。『雪だるまつくろう』は映画でおなじみの楽曲ながら、生演奏による生の歌唱(歌詞も映画版とは異なる)は、舞台ならでは。子役2人の息の合ったかけ合いに感動させられたかと思えば、愛らしい動きにクスリともさせられる。

 

また、宮中の華やかさにうっとりしていると一転、緊迫した氷の世界に誘われるなど、アトラクションのようにさまざまな感情が呼び覚まされる。極めつけはやはり、エルサが自分を解き放つ『ありのままで』。エルサの内面が映画以上に丁寧に描かれており、自然とエルサに自分を重ね合わせられ、鳥肌必至!

 

【見どころ1】魔法を再現するプロジェクションマッピング

ふわふわと舞ったり、激しくふぶいたり……雪や氷の見せ方はバリエーション豊か。プロジェクションマッピングなど最新技術を使い、エルサの「魔法」を、鮮やかに描き出す。

 

劇団四季版『アナ雪』のエンタメ技術と見どころ4
画像を見る アナとハンスのアクロバティックなダンス(撮影:福田ヨシツグ /(C)Disney)

 

【見どころ2】映画以上のダンスの躍動感

振付家がこだわったというのが、俳優の肉体を駆使した舞台ならではの身体表現。アナとハンスの運命的な出会いは、2人のアクロバティックなダンスにより、言葉以上にその高揚感を伝える。

 

【見どころ3】スヴェン&オラフのかわいらしさ

リアルさを追求したトナカイのスヴェンと、映画から抜け出したかのような雪だるまのオラフ。見た目はもちろん動きも愛らしい彼らの存在は、緊迫する「氷の世界」の一服の清涼剤に。

 

【見どころ4】『ありのままで』の荘厳セット

エルサが自分を解き放つ一幕の見せ場。彼女を引き立てる美しき氷のカーテンには、なんとスワロフスキーが使われているそう!

 

本作品は’20年の初演予定がコロナの影響で延期となった。空白のその1年に作品のキャッチコピーを新しく作成したという。そうして掲げられたのが「凍った世界を救えるのは、この愛だけ。」。

 

私たちが立ち向かう今日の「凍った世界」で開幕したミュージカル『アナ雪』は、演劇界にも吹き荒れる逆風に負けずに届けられた、劇団四季からの「愛」そのものに違いない。

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