■松潤が伝える嵐のライブ哲学“全てのお客さんが満足を”
「講義では具体的な演出方法といった技術よりも、松本さんは“お客さんとの向き合い方”を力説しているそうです。松本さんはライブ前に必ず会場の全ての席を歩き、あらゆる角度からステージがどう見えるかを確認します。
可動式の舞台が観客の頭上を通過する“ムービングステージ”を日本で最初に取り入れたのも松本さんですが、“全てのお客さんが満足しないと意味がない”という松本さんの信念によるものです」(前出・ライブ制作関係者)
かつて松本は自身の“演出論”についてこう語っている。
《一番大切にしているのは、会場に来て下さった皆さんと「どういう時間を過ごすか」なんです。出演側が一方的に見せるのではなく、見てくれる人がいて初めて成立するものを作ってるつもりです》(『日経エンタテインメント!』’14年1月号)
また「松潤塾」を開講したタイミングについても松本の“願い”が込められているという。
「松本さんはありとあらゆるジャンルのライブを見学し、海外にも勉強しに行くなど苦労しながら独学で演出を学んできました。よく“自分たちが苦労したから後輩に教えられることは教えたい”と話していたといいます。
そこで嵐の活動休止を機に、自分が培ったノウハウを正式に講義という形で継承することを決断したそうです。また、再来年に主演する大河ドラマの準備が始まる前に伝えたいという思いもあるのでしょう」(前出・音楽関係者)
そして今は亡き“心の師匠”との約束もあるようだ。
「松本さんが尊敬してやまないジャニーさんの夢がジャニーズの本格的な世界進出。その遺志を継ぐ松本さんとしても、世界に通用するライブ演出を後輩たちとともに考えていく心づもりだといいます」(前出・音楽関係者)
冒頭の会見で「世界の人たちに日本のエンタテインメントを見てもらえるように、これからも表現者として頑張っていきたい」と語っていた松本。
「松潤塾」で育った後輩とともに世界を駆ける日がいつかきっと来るはずだーー。