■不動産だけで合計15億円超
この細木さんの会社は、京都に2つの豪邸を所有しており、敷地面積は合計で600坪を超える。さらに本誌はこれまでに、細木さんが周辺の土地を買い進めて“寺院”を建設し、説法会を開いているとも報じていた。
「買い進めた周辺の土地は合わせて5千500坪を超え、立派な御堂や庭、集会場などがどんどん建っていきました。これらの“寺院群”で、細木さんは多くの人を集めて説法会を開いていました。
この“寺院群”は2つの宗教法人で所有しているのですが、もともと、細木さんの会社が持っていた土地。2017年から昨年くらいにかけて、この宗教法人に寄付したり、売ったりしていました」(京都の近隣不動産業者)
弁護士法人「天音総合法律事務所」代表弁護士の正木絢生さんはこう解説する。
「会社法人が宗教法人への寄付を禁じるルールはなく、法的に支障はありません。また、宗教法人は不動産の寄付を受けても、贈与税は課せられません。
ただ、寄付する企業と寄付を受ける宗教法人で、実質的に“支配者”が同じとみられる余地がある場合には、相続税法第66条第4項に基づいて、宗教法人側が課税される場合はあります」
寄付を受けた宗教法人については、“細木さんの影響下にある人物が代表”と報じられたこともあるが、細木さん側は否定し続けている。とはいえ、こうした“京都の資産”の価値は――。
「宗教施設の売買実績は少なく、豪邸も古い木造で評価が難しいのですが、一帯のすべての土地や建物を合わせて12億円ほどになります」(前出・京都の不動産業者)
不動産だけで合計15億円超……。しかし、「遺産の全容は見当もつかない」と明かすのは、六星占術の書籍がブームとなった当時の細木さんを知る出版関係者だ。
「最も売れた2004年だけで、会社に数十億円もの利益をもたらしていて、細木さんへの接待費は年間1億円を軽く超えていたそうです。テレビに出ていたころは、出演料だけで年間5億円は稼いでいたそうですし、ご自宅にも本人いわく『何億円もするのよ』という家具がゴロゴロありました」
長い時間をかけて“終活”を進めていた細木さん。かおりさんに持てるすべてを引き継ぎ安心したのか、周囲には“やりきった姿”を見せていたようで――。
「最後にお姿を見たのは2019年秋ごろ。京都に来ると、2週間くらいいてはったようですわ。お屋敷の周りを、愛犬を連れて散歩されるんです。痩せた体で、ゆっくり一歩ずつ足を進めていて……。今思えば、豪邸やお寺の増改築が終わったころでしたから、最後に自分の目で見て回りたかったのかもしれまへん」(京都の近隣住民)
養女にすべてを譲り渡した“傑物”は、静かに旅立った。