■覚せい剤、不倫、不審死……暴走を止められなかった私生活
彼の楽曲とともに、その過激な私生活にも注目が集まるように。
’86年、20歳になった尾崎さんは無期限活動休止を宣言し6月に単身渡米。帰国後、音楽活動を再開し翌年7月からライブツアーを行うも、尾崎さんの体調不良により中止となってしまう。
そしてその年の暮れ、衝撃的な出来事が。覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されたのだ。’88年2月22日、懲役1年6か月・執行猶予3年の判決を下された尾崎さん。釈放される彼を目当てに、東京拘置所には500人ものファンが殺到。当時、本誌も拘置所から現れた尾崎さんの姿を目撃したが、体重が激増した恰幅の良い姿は衝撃を与えた。
その後はふたたび音楽活動に邁進。’88年に4枚目のアルバムとなる『街路樹』を発売するも、’91年には女優・斉藤由貴との不倫が報じられる。スター同士の熱愛不倫は、当時大きな波紋を呼んだ。
そして、’92年4月25日早朝。東京都足立区千住河原町の民家の庭で、全裸で泥酔状態の尾崎さんが発見される。その後、蘇生措置が施されるものの、午後12:06に死亡した。死因は覚せい剤など薬物の大量摂取による肺水腫だったと公表されている。
4月30日に東京・文京区の護国寺で行われた追悼式には4万人近い若者が集まり、冷たい雨のなかで立ち尽くしていた。謎の多い突然の死は、多くの人に衝撃を与えたのだ。
かつてインタビューで「聴いてくれる人がひとりでもいる限り、ぼくはずっと歌いつづけていかなくてはいけないと思っているんです」と語っていた尾崎さん。その歌声は今も、人々の心の中で響き続けている。