■良純が近所の人を気遣う一幕も
慎太郎さんは、2014年にテレビ番組で良純と対談したとき、四兄弟の教育について、こう語ったことがあった。
「人間それぞれ違って、百人百様のものを持ってるんだから。子供だから、“俺に準じてものを考えろ、感じろ”と言ってもしょうがない」
この対談で、慎太郎さんは伸晃氏、宏高氏、延啓氏の仕事ぶりを案じつつ、良純に対してはーー。
「ハラハラしてるね。特に、政治家になっちゃった2人はね。お前は、今でもかわいいよ」
四兄弟のなかでも、良純は慎太郎さんが最後の日々を過ごした実家を頻繁に訪れていた。
「良純さんは近くにお住まいで、奥さまのお勤め先も近くでしょう。いつもこの辺をジョギングしてますし、ちょくちょく実家に様子を見に来ていましたよ。
良純さんは慎太郎さんが亡くなった翌日、一軒ずつ近所に挨拶回りをしていました。『これから取材や警備で騒がしくなるので、申し訳ない』と謝られて……。ご兄弟のなかでも、やはり良純さんにいちばん親しみがあります」(慎太郎さん宅の近隣住民)
通夜の途中、良純は母の典子さん(84)が乗る車いすを押して、慎太郎さん宅の玄関から出てきた。送迎の車に乗り込む母に、「母さん、明日もね」などと、窓越しに優しく声をかけていた。
慎太郎さんがもっとも愛した次男坊。きっとこれからも、彼は人々に愛され続けるのだろう。