西島秀俊“民放ドラマ5年出演NG”時代も…アカデミー受賞までの過酷な下積み生活
画像を見る アカデミー賞のトロフィーを監督と掲げる西島(写真:アフロ)

 

■「本業を、ゆっくりと」藤田さんから手渡された色紙

 

さらにもう一つ、彼の下積み時代を支えていたものがある。それは『はぐれ刑事』現場で主演の藤田さん直々に授かった“教え”だ。

 

西島は雑誌『GINGER』’21年1月号で、《一生忘れられない言葉》として、藤田さんから教わった「本業を、ゆっくりと」という言葉を紹介している。藤田さんから色紙に書いて渡された言葉だといい、西島はこう語っている。

 

《役者人生は決してスムーズではありませんでした。特に30代は仕事が少なく、悔しい思いをしたこともありました。でもだからこそ、あのとき『本業を、ゆっくりと』と言われたことが、どれだけ支えになったことか》

 

西島は初出演ドラマの座長である藤田さんのことを、心の底から尊敬していたようだ。

 

「藤田さんは現場で台本をたびたび変えていました。『5分で覚えて』と言われ、西島さんはしがみつくように必死に取り組んでいましたね。西島さんがいい演技をしたら、藤田さんは『よかったで! 秀ちゃん、メシ食いに行こ』と誘ってくれたといいます。大先輩の気さくな優しさが、西島さんはとてもうれしかったそうです」(番組関係者)

 

前出の岡本麗もこう証言する。

 

「藤田さんは未来ある若者を応援していました。西島君に何かをつかんで、伸びていってほしいという気持ちがあったんだと思います。役者の大先輩である藤田さんと接するとき、西島君はいつも緊張していました。でもいまや主演作が日本映画で初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされたわけですから。天国の藤田さんも本当に喜んでいると思います」

 

今回のアカデミー賞「国際長編映画賞」受賞で国外でも大きな注目を集めた西島。50代にして、未到の道へのドライブがまた始まる――。

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