菅田将暉“演技が雑”と叱咤も…実力派俳優に覚醒させた亡き恩人監督との出会い
画像を見る 『共喰い』出演時の若かりし菅田(写真:産経新聞フォト)

 

’20年8月放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で菅田はこう回顧している。

 

「これをやると、これからは本当に覚悟を決めて仕事になってくるんだな、俺の人生っていう感じだった」

 

菅田は同作で暴力的な父親を忌み嫌いながらも自身も父から暴力性や異常な性癖を受け継いでいるのではないかと悩む高校生・遠馬を演じ、濡れ場にも挑戦。

 

しかし、当時の菅田にとってはかなりの“挑戦作”だったようだ。

 

「当時の菅田さんは、『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で俳優デビューした注目のイケメン俳優として、アイドル的な立ち位置でした。そうした方向性に戸惑いも感じていたときに『共喰い』の話を聞き、出演を希望したといいます。

 

しかし、当時のイメージと逆行する作品に事務所は猛反対。当時交際していた彼女からも濡れ場やキスシーンを理解してもらえず、破局したそうです」(芸能関係者)

 

菅田はオーディションを受けた心境をこう語っている。

 

《自分の環境に何かが足りないというか、現状を壊したいというか……。そういう思いがふつふつとある時期で。自分の中でも、これはやりきったって言えるような事をやりたかったんです》(『ピクトアップ』’13年10月号)

 

反対を押し切り、意欲作に飛び込んだ菅田。前出の淵上は『共喰い』撮影現場での青山さんの監督術をこう振り返る。

 

「僕の時はボソっと言ってそのまま本番に入る……。『自由にやってくれ』とかそういうことも言いません。あんまりあれこれ言わない監督もまた、怖いのです。青山組には現場に立った者にしかわからない独特の緊張感があるような気がします」

 

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