歴史学的にはフィクション…それでも三谷幸喜が八重と義時を結婚させた理由
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■専門家は「義時と八重の結婚は歴史学的には完全にフィクション」と断言

 

大河では、八重がその後、義時と夫婦になり泰時を出産しているが、本郷教授は「歴史学的には完全にフィクション」と断言する。

 

「史実では、義時との間に泰時を産んだのは阿波局という側室です。この阿波局が八重と同一人物という可能性はゼロですね。阿波局は、頼朝の御所で働いていました。ですから主人は頼朝の妻・政子になります。あれだけ激しい政子が、夫の元妻を同じ空間に置くとは考えられません」

 

大河では八重が御所に行き、一時期、政子(小池栄子)のもとで働くシーンが描かれていた。これは脚本を務める三谷幸喜(60)オリジナルの八重ということになる。NHK関係者はこう語る。

 

「歴史好きの三谷さんは原則として史実を忠実に再現することを心掛けています。そのうえでドラマを面白くするために登場人物をどう膨らませるかを常に考えています。従来、悲劇の女性として描かれてきた八重に関心を持った三谷さんは『新垣さんに演じてほしい』と熱心にオファーしたといいます」

 

大泉と新垣の過去の共演作が起用のきっかけの一つだったという。

 

「’14年公開の新垣さん主演映画『トワイライト ささらさや』で彼女は大泉洋さんの妻、そして自身初となる母親役を演じました。この映画のポスターを、三谷さんの監督作『ラヂオの時間』や『みんなのいえ』を手掛けたイラストレーターが描いており、三谷さんもこの映画を見ていたといいます。『鎌倉殿』でも頼朝と八重との間に子供が生まれることから、新垣さんに白羽の矢が立ったそうです。意外なことに三谷さんは新垣さんと仕事をするのが今回が初めて。撮影に入る前に15分会っただけでした」(前出・NHK関係者)

 

制作関係者もこう語る。

 

「かねて新垣さんの演技を高く評価していた三谷さんは今作で『逃げ恥』の、みくり役のイメージを塗り替えたいと強く思っていたそうです。八重は意志が強く、自分の思いに忠実に行動できる女性。実際に会った新垣さん本人と重なる部分が多々あり、新たな八重像が広がったと聞いています」

 

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