「菅田さんは脚本家の三谷幸喜さん(60)に会ったことがないんです。いつか対面するときのために、大泉洋さんが『三谷さんのボケにつっこめ!』と接し方を伝授してくれたそうですが、菅田さんは『初対面では無理ですよ』と笑っていたみたいですよ」(芸能関係者)
『鎌倉殿の13人』で源義経を演じている菅田将暉(29)。従来のイメージを覆す義経像が話題だが、役づくりは手探りだったようで……。
「三谷さんが描く義経は突拍子もない言動が多いですからね。菅田さんとしては、義経の言動の真意を三谷さんに直接聞きたかったでしょうが、三谷さんは現場にまったく来ないのでそれができず、苦労したと思います。そのうえ乗馬や弓などの練習もしなければいけないわけです。『役者人生でいちばん難しい役』だと言っていました」(NHK関係者)
そんな難役に挑戦すると決まったとき、菅田には「頼りたい」と頭に浮かんだ人物がいたようだ。
「役者の知人から聞いたのですが、『(三浦)春馬さんに大河の話を聞きたかったな』と菅田くんが漏らしていたそうです」(制作関係者)
三浦春馬さん(享年30)と菅田は3歳差。ほぼ同世代だが、菅田は“影響を受けた俳優”として春馬さんの名前を挙げたこともある。
「年齢は近いですが、春馬さんは子役出身なので、キャリアは菅田さんより10年以上長い先輩なんです」(テレビ局関係者)
’11年の春馬さん主演のドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)で初共演。以降、つかず離れずの交流が。
「私生活でよく遊ぶ仲ではなかったはずです。でも役者として互いに一目置いていたんじゃないかな。春馬くんが、菅田くんの舞台を見に来て楽屋を訪ねていたこともありましたからね」(菅田の知人)
’17年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、2人は親子の役を演じた。菅田にとっては初大河で、戸惑いが多かったようだ。そんな菅田を春馬さんは激励に訪れている。
「親子役ながら共演シーンがなかったんですが、春馬さんはわざわざ差し入れを持って菅田さんの現場を訪れました。演技を褒められて、菅田さんは照れくさそうにしていましたよ」(別のNHK関係者)
激励の背景には、春馬さんなりの現場づくりの意識もあったのかもしれない。春馬さんはインタビューで俳優としてのポリシーを次のように話していたことがある。
《いいパフォーマンスのための勉強と同時に、チームでモノづくりをする、人の気持ちのつかみ方、癒し方も学びたい》(「LEE」WEB版’19年9月19日配信)
人を大事にしていた春馬さんの在り方を、菅田は『鎌倉殿』の現場で遺命として思い出したのではないだろうか。
「菅田さんはふと春馬さんのことを思い出すことがあるそうです。小栗旬さんら役者仲間との話題で、自然と名前が出ることもあるとか」(前出・制作関係者)
春馬さんの思いを胸に、義経は間もなくクライマックスを迎える。