DCブランドの聖地と呼ばれたラフォーレ原宿(写真:毎日新聞社/アフロ) 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、大好きだったおしゃれの話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’80年代”を振り返ってみましょうーー。

 

■日本の“かわいい”文化を象徴するブランド

 

「’80年代はアパレル業界の隆盛期でもありました。なかでも若者から絶大な支持を集めた有名デザイナーといえば、『ピンクハウス』の金子功さん、『KENZO』の高田賢三さん、『NICOLE』の松田光弘さんです。今でこそ、ユニクロを代表とするシンプルなデザインが人気ですが、この3人が手がけた服は、独自性が非常に高く、ひと目でブランド名が判別できるほどでした」

 

こう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。

 

『anan』や『non-no』といったファッション誌で新作情報を得た若い女性たちで、百貨店や原宿のブランドショップはにぎわったものだ。

 

「特にガーリーな乙女心を満たしたピンクハウスは、のちの“オリーブ少女”たちのお手本ともなり、大きな影響を与えたのです。意外だったのは、“かわいい”を象徴するブランドにもかかわらず、ハードロックのライブ会場などにもピンクハウスファンが多く出没する、との噂があったこと。かわいい、とのギャップが大きいシーンに着て行くのも、楽しみの一つだったのかもしれませんね」

 

■ピンクハウスへの愛は母から娘へと受け継がれている

 

一方、その独自性の高さから“ちょっとかわいすぎて、自分には無理”と敬遠する層がいたのも事実。逆に、ハマれば極端で“ピンクハウスしか着ない”という熱狂的なファンも多くいた。

 

「いまだに岩盤の支持層がいます。’80年代からのファンは、50代、60代になっており、自分たちが着られなくなった服を、娘に譲って楽しんでいる人もいるでしょう。また、Z世代といわれる今の若者にもレトロファッションブームが来ていて、フリマアプリなどでは、ビンテージのピンクハウスの服に、2万円、3万円といった高値がついているほどです」

 

’16年には、約20年ぶりにラフォーレ原宿で取り扱いが復活したことも話題になった。

 

「確かにピンクハウスは、ネットなどではなく、リアル店舗で実物を見て買いたいブランドです。全盛期のショップ店員さんは“かわいい”のツボを知り尽くし、ファンの多くが『いつも絶妙なアドバイスをしてくれて、すごい!』と、心酔していました。彼女たちは’80年代、話題の職業となった『ハウスマヌカン』の先駆者でもあったのです」

 

ブランド立ち上げ50周年を迎えた今年、ピンクハウスは、ノベルティグッズのプレゼントをするなど、アニバーサリーイベントを展開している。

 

【PROFILE】

牛窪恵

’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

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