12月に行われる市川海老蔵(44)の十三代目市川團十郎白猿襲名興行に香川照之(56)が出演、表舞台に復帰するのではと各メディアで報じられている。
「銀座ホステスの性加害報道でメディアから姿を消した香川さんのため、海老蔵さんが手を差し伸べたというのです」(スポーツ紙記者)
香川の方が年齢は上になるものの、歌舞伎役者としては海老蔵の方が格上になる。
「香川さんが歌舞伎界に入ったのは、46歳の時。‘06年に海老蔵さん主演の映画『出口のない海』で共演した際、香川さんの方から息子・團子さんともども、歌舞伎界入りを相談したとも言われています。そんな経緯があり、香川さんは海老蔵さんには頭が上がらないのです」(歌舞伎ライター)
実際に『出口のない海』の完成披露試写会の舞台は歌舞伎座で行われ、香川は「海老蔵さんのおかげで、40歳にして歌舞伎座という舞台に立てた。ありがとう」と涙を流して感謝の気持ちを伝えたほど。一方、海老蔵も香川が歌舞伎界入りした2年後のブログで、「素敵な方です」「今日から兄さんと呼ぶことにしました」と香川との交流を明かしている。
「歌舞伎の舞台では、‘17年1月に行われた三代目市川右團次襲名公演でも2人は共演しています。共に同じお酒の失敗で辛酸をなめた2人だからこそ、分かり合える心境ではないでしょうか」
こう語るのは、ある歌舞伎関係者だ。
「今回の性加害報道で香川さんが出演するドラマや司会業といったテレビの仕事は、ほとんどが降板となりました。しかし、香川さんは機転が利く方ですから、騒動に火がついたとき“残る仕事は歌舞伎だけ”と思っていたはずです。
歌舞伎の世界はテレビや映画に比べると、“女性問題”にはまだ寛容。そもそもが女人禁制ですし、昔から“芸の肥やし”とも言われてきました。実際に3回も不倫疑惑が伝えられた中村芝翫さんが歌舞伎の舞台を降板した、などということはありません。それだけ女性問題にゆるい世界だからこそ、今回のケースは起こりうるのでしょう」
一方、海老蔵にとっても香川救済は自身のイメージアップになるという。
「大名跡の團十郎襲名公演は、海老蔵にとってはどうしても成功させたい一大イベント。ところが、梨園の重鎮たちが海老蔵さんの奔放な言動にあきれ果て、口上にはほとんど出ないといわれています。そこで海老蔵さんは、そんな重鎮たちを見返すためにも、まずは観客動員を増やすことが成功の道だと思っているはず。そこで、困っている香川さんに助け舟を出し、『過去の團十郎とは違う』と、五代目以来となる團十郎白猿の“懐の深さ”をアピールすることができると踏んでいるのでしょう。
また興行主である松竹も、最近のコロナ渦で観客動員数が減少していることを危惧しており、香川さんが出ることで少しでも話題になるのはさほど悪い話ではないと考えている節があります」(前出・歌舞伎関係者)
果たして海老蔵の計略は、目論見通りになるのだろうか。