紺ブレと言えば鈴木保奈美さん 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、追いかけていたおしゃれの話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょうーー。

 

「昨年、鈴木保奈美さんが自身のインスタグラムで紺ブレ姿の写真をアップし、大きな反響がありました。’90年代ファッションが見直されている昨今、《紺ブレといえばやっぱり保奈美さん!》といったコメントが寄せられました。それというのも、紺ブレはドラマ『東京ラブストーリー』(’91年・フジテレビ系)で、ヒロイン・赤名リカを演じた保奈美さんが火付け役となって大流行したファッションだからでしょう」

 

そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。

 

’80年代前半から、アメリカのアイビーリーグの学生の間に広まった、上品で洗練されたトラディショナルなファッションが、日本でもハマトラ、ニュートラといった独自のかたちで進化していった。

 

「こうしたアメリカントラッドを起源とした流行を、’80年代の半ば以降、アメリカブランドのポロ ラルフローレンが後押ししました。トレンディドラマの先駆けともいえる『抱きしめたい!』(’88年・フジテレビ系)で人気となった浅野温子さん、浅野ゆう子さんのW浅野も、長身を生かし、ラルフローレンをカッコよく着こなしていたのが印象に残っています」

 

■“紺ブレ”は社会進出を志す最先端の女性の象徴だった

 

’90年前後、団塊ジュニア世代がファッションの流行の中心を担うようになると、アメカジの定番アイテムを品よく着こなす、渋カジ、キレカジ(キレイめのカジュアル)が流行した。それが赤名リカの衣装にも取り入れられたのだ。

 

「スポーツ用品メーカーに勤めるOLという設定でした。ざっくりしたカジュアルなセーターに、パリッとした紺ブレを羽織り、ボトムスはパンツ、靴はローファーで活動的。カジュアルでありながら、一般的な女性が通勤にも着られるファッションでした。日本でもようやく女性の社会進出を望む声が聞こえ始めたころ。帰国子女である赤名リカの上品で活動的な装いは、最先端をいく憧れの女性の象徴でもありました」

 

紺ブレは女性ばかりでなく、男性からも受け入れられた。渋谷や新宿の街は、金ボタンをつけた紺ブレ姿の若者であふれた。

 

「ネイビーはさまざまな服に合わせやすいのが特徴。また’90年代は、ディスコにドレスコードがあったり、高級レストランで正装に近い服装が求められたりしていました。そんなときでも紺ブレさえあれば、たとえカジュアルな装いでも一枚羽織るだけでパリッと締まる。カッコよさばかりでなく、そんな実用的で、便利なアイテムでもあったんです」

 

【PROFILE】

牛窪恵

’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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