■「思いを伝えたい、歌いたい」という気持ちはむしろ強くなった
苦しい日々を送るうちに、家族に対してやり場のない思いをぶつけることもあったようだ。今年10月5日、「婦人公論.jp」にアップされたインタビューでこう述べている。
《明るく振舞ってくれる家族の言動に傷つき、「もっと私の気持ちに寄り添って、いたわってくれてもいいのに」と不満に思うこともありました》
しかし、こうも続けている。
《ある日、夫から「きみは『あなたたちにがん患者の気持ちはわからない』と言うけど、きみはがん患者の家族の気持ちはわからないでしょ?」と言われたのです。本当にそのとおりだと思いました》
堀からの反発を受けても家族は支え続けたのだ。
「食道がんがわかって落ち込む堀さんに、旦那さんは『早く見つかってよかった』と声をかけてくれたといいます。旦那さんとは闘病生活のなかでぶつかることもありましたが、今では旦那さんが『難病のデパートみたい』と冗談でいうほど、お互い信頼し合っているそうです。
また堀さんは、娘さんにも救われたといいます。堀さんは手術で舌を切除したため、以前のように喋ることはできません。『歌うことなんて到底無理』と思い、今回のデビュー40周年記念ライブも諦めていました。
ところが『ライブするって約束したでしょ?』と娘さんがいってくれたことで、堀さんはやる気がみなぎったといいます。そしてボイトレにも力が入り、どんどん歌えるように。堀さんは今、『生きている限りとことん頑張らなきゃ』という気持ちだそうです」(前出・音楽関係者)
家族に支えられ、苦難を乗り越えてきた堀。今年3月、がんが判明した3年前を回想し《あの頃の私はもういない。そして術後すぐの、もがき苦しんだ日々を過ごしていた私も、もういない》とブログに綴っている。
そんな堀は、昨年6月に発売された絵本「10のことば」の付属CDで朗読にチャレンジ。発売に際し、《言葉を失いかけて、「言葉の大切さ」を痛感しました》とコメントしていた。
さらに今年3月、「サンキュ!」で配信された記事では《病気を経験して失った物はあるけれど、「思いを伝えたい、歌いたい」という気持ちはむしろ強くなった気がします》と”歌への思い“を明かしている。
ライブ当日、堀の歌声は多くの観客を魅了するはずだ。