妻が毒殺、長澤まさみが犯人説も浮上…三谷幸喜が示す『鎌倉殿』“壮絶な最終回”のヒント
画像を見る 猛暑のなか甲冑を着ても暑そうな顔も見せない小栗

 

■『吾妻鏡』では病死だが、毒殺説もある

 

時代劇研究家のペリー荻野さんは、過去2作の三谷の大河ドラマを例に、次のように分析する。

 

「『新選組!』(’04年)は香取慎吾さん演じる近藤勇が斬首されたところでスパッと終わりました。『真田丸』(’16年)も、基本的には、堺雅人さん演じる真田幸村が、願いかなわずに負けて亡くなる、というところが終わりです。

 

主人公が亡くなる瞬間が物語の完結だというのが、これまでの三谷さんの大河ドラマ。今回も義時の死で締めくくるのでしょう。“闇落ちした”といわれる義時の所業にふさわしいだけの幸せでない死に方を、三谷さんは考えているはずです」

 

史上最悪ともいえそうな凄惨な最期も予感させる小栗義時だが、そもそも史実としての“義時の最期”はどうなっているのか。

 

東京大学史料編纂所の本郷和人教授が解説してくれた。

 

「歴史書である『吾妻鏡』には“義時は病気で亡くなった”とあるのです。畳の上で念仏を唱えながら亡くなったことになっています。

 

ただ、“毒殺説”はあります。藤原定家の『明月記』という日記に、ある僧侶が逮捕されたことが書かれていますが、彼が“義時の女房が義時を毒殺するときに使った毒で、俺を殺せばいいじゃないか”と言ったというんです」

 

“義時の女房”とは劇中で菊地凛子(41)が演じている、3番目の妻・のえ。本郷教授は続ける。

 

「歴史研究者であれば史料があって2つの説があったら、どちらの説が“正しい”かを考えます。けれどエンタメであれば、史料のどちらが“面白い”かという考え方をすることがありますよね。または、史料と全然違っていても面白ければいい、という考え方を三谷さんがする可能性もあるのではないかとも思います」

 

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