’70~’80年代に圧倒的スターとして君臨していたジュリーこと沢田研二(74)の、大胆かつセクシーな曲衣装の数々。そんな沢田研二の魅力あふれる写真集『『JULIE by TAKEJI HAYAKAWA-早川タケジによる沢田研二』(SLOGAN)が発売中!「まるでARTのよう」と話題になっている作品の誕生秘話をアートディレクションを務めた早川タケジ氏に伺った。
’73年のヒット曲『危険なふたり』から始まった天才と呼ばれるアートディレクター・早川タケジによるジュリーのビジュアルやパフォーマンスは、巨大なパラシュートを背負ったり、ジーパンのジッパーを下げたりとかなり斬新だった。
「沢田さんとは、綿密な打ち合わせなどなく、『こんなふうにやりたい』と伝えるとすぐに『いいね、面白そう』と阿吽の呼吸でやってきました。それは、当時の風潮でもあったカウンターカルチャーの影響で、今までにないものを作ろう! という気持ちでお互いにつながっていたんだと思います」(早川氏・以下同)
【勝手にしやがれ】「男装の麗人をオマージュ」と聞いて納得!
’77年リリース時のプロモーションビジュアル。往年の大女優マレーネ・ディートリヒの男装の麗人スタイルをオマージュ。帽子を投げるパフォーマンスは老若男女がまねした。
【サムライ】軍服をイメージした危険な香りがプンプン
’78年リリース『サムライ』の衣装。歌詞も挑戦的だったが、衣装も斬新。インナーのシースルーはなんと女性もののストッキング。
「沢田さんのようにキレイな人が危険な香りのする三島由紀夫の楯の会のような軍服を着るというミスマッチが面白いかな、と思いました」
【カサブランカ ダンディ】ウエストに差したウイスキーが印象的
’79年のポスタービジュアル。当初、不良アイビースタイルの予定だったが、仮縫い時、袖がほつれたりした不完全な状態の上着がカッコいい、となり急きょ変更。
「その場で即OKでした。決断力の早さも沢田さんの魅力のひとつ」
【TOKIO】膨れ上がるパラシュートに目を奪われた
音楽配信サービスでも人気の曲。曲が始まるとともに巨大なパラシュートも膨れ上がった。電飾まみれになったジュリーの目にはカラコンがキラリ。目でも楽しめた名曲。
【CM 樹里】花と着物と刀と……極彩色で彩る耽美的な日本
天竜の酒・樹里のCMポスター。現在はオークションサイトで高額取引されている。
「総天然色のシネマの中に、歌舞伎の様式美みたいな耽美で退廃した世界観を持ち込んでみました」
鬼才・早川タケシが生み出したジュリーの世界は奇跡!