天国の小林麻央さんと子どもたちとの強い絆 海老蔵が十三代目團十郎に
画像を見る 結婚式で麻央さんとケーキ入刀する海老蔵

 

■息子、孫との共演はさらなる宿命。「團十郎の業」を絶つ覚悟は、あとを託す者とともに

 

「勸玄さんも天才ですね。『外郎売』は6歳の初演時も感嘆しましたが、今度も9歳にして、本当によどみなく言えて。7歳だったお父さんのときも見ましたが、あんなに舌が回っていなかった(笑)。12月には『毛抜』もやりますね。けっこう艶っぽい部分もあり、またお父さんには批判もあるようですが、実はこれもおじいさんの当たり役だったんです。祖父譲りの愛嬌もある勸玄さんに最年少で『毛抜』をあえてやらせようというのは、十三代目となった團十郎さんの『これからも、わが市川一門はかぶいていきます』という、宣言にも思えます」(関さん)

 

樹林さんも、『石川五右衛門』を作った当初から、まだ存在すらしていなかった「海老蔵の息子」を想定して本を書いたと語る。

 

「初演では、海老蔵と父親の十二代目團十郎さんに共演してもらいました。そのときから、いずれ海老蔵が團十郎となり、その息子が海老蔵を襲名したら、十三代團十郎の父子で『新・石川五右衛門』をやってほしいと思っていました。これぞ歌舞伎の醍醐味と思いますし、またいずれ実現するでしょう。僕らがカンカンと呼ぶ勸玄君は、お父さんより稽古好きなようですから(笑)。僕はあえて海老蔵と呼びますが、彼はゴシップも含めて、歌舞伎界のトップとして、ずっとPR役を務めてきているのだと思います」

 

かつては、自ら「歴史的にも團十郎は短命です」と、半ば宿命を受け入れるかのように語っていた十三代目だったが、特に父親になってからは、「團十郎の業」からも解放されたということか、新たな覚悟を口にすることが多くなった。

 

〈長生きをしなければならない……息子、そしてまだ見ぬ孫との共演は、市川團十郎家に生まれた者として、やらなければいけないこと〉(『文藝春秋』13年6月号)

 

新たな重責をまとっての、さらなるプレッシャーも気になるところだが、樹林さんは、

 

「とにかく、子供たちとの関係がサイコーなので安心ですね。うちに遊びに来て、プールでカンカンや麗禾ちゃんと遊んでいるときは、何の憂いもない、すっかりパパの顔ですから」

 

あとを託すことのできる子供たちとの太い絆を得た十三代目團十郎が、これからの歌舞伎界を、伝統と革新の両輪で、牽引していく姿を見届けたい。

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