いまや「なりたい職業ランキング」の上位にランクインし、華やかな仕事にも思える声優業。
だが最近では11月1日に、『ウマ娘 プリティーダービー』のサイレンススズカなど数多くのキャラクターを演じた高野麻里佳(28)が、適応障害と診断されたため当面活動を制限すると発表。21日にも、同じく『ウマ娘』でアイネスフウジンを担当していた嶺内ともみ(24)が年内いっぱいで廃業すると発表し、声優業を離れるケースが続いている。
そんななか11月23日配信の『ABEMA Prime』(ABEMA)では、声優たちが過酷な労働環境に置かれていることが議論された。近年、アイドル活動を行う若手の女性声優が活動制限したり、メンタルの不調を訴えたりするケースが増加しているというのだ。
番組が紹介したある女性声優の例では、大手声優事務所に所属するもキャパシティを超える量の仕事を振られ、なおかつアイドル活動の歌やダンスのレッスンも頑張らなければならない状態に。さらに、仕事を断ろうとすると「他の声優に仕事を回す」と言われてしまうことも。結果的にメンタル不調になり、声優を止めざるを得なかったという。
本番組に出演したベテラン声優の三ツ矢雄二(68)は、「今みたいに、人気のある声優さんは歌を出し、踊り、芝居もして、みたいなことは僕たちの時はなかった」と言及。その上で、2.5次元ミュージカルと深夜アニメの増加を背景に声優がアイドル化した経緯を説明した上で、こう語った。
「今の『声優アイドル』と呼ばれている人たちは、僕が思うには現行のアイドル、例えばAKB48といったものを模倣したかたちで、だんだん主流になってきちゃって、『あれ、声優って声で芝居をする職業だよね?』という部分が二の次、三の次になっている」