■「閉経後に女性ホルモンのバランス変化が原因で骨密度が低下」
今回のような事故ではなく運動中の負荷が原因だったようだが、この1年半で2度も圧迫骨折するのはさすがに心配だ。
「骨折が続くのは骨の強度、いわゆる骨密度が低下する骨粗しょう症が考えられます。コロナ禍での慢性的な運動不足が原因でしょう。骨密度が落ちてきているためか、それほど強くない衝撃で圧迫骨折するケースが中高年に増えています。痛みを伴わないことも多く、1カ所骨折したことで骨がまた折れたり潰れたりする“ドミノ骨折”に発展することがあります」(医療ジャーナリスト)
昨年5月14日に更新された「NHK健康チャンネル」公式サイトでは、おもに骨粗しょう症が原因で70代男性では10.8%、70代女性では22.2%の割合で圧迫骨折が発生したと明示して、
《骨折した骨が神経を圧迫してしまうとまひを引き起こす可能性があります。実際に圧迫骨折をした人の10.3%が寝たきりにつながったというデータがあります》
と警告している。このような負の連鎖を回避するためにはどうすればいいのか。柏の葉整形外科リハビリテーションクリニックの山田睦雄副院長はこう語る。
「そもそもなぜ高齢女性が骨粗しょう症になりやすいかというと閉経後に女性ホルモンのバランス変化が原因で骨密度が低下するからなんです。骨が弱い状態になれば当然、骨折のリスクは高まります。軽い衝撃で骨折するいわゆる脆弱性骨折が50代から起きやすくなるのもそのためです。骨粗しょう症は薬や注射などで治療することもできますが、最もいいのはまず予防。そのために手っ取り早いのが運動です。
たとえばフラミンゴ体操という、片足立ちするだけの体操でもいいと言われているくらいです。骨に適度なストレスをかける運動や筋トレなどがアンチエイジングに非常に効果的なんです。また食事に関しても、牛乳を飲んだり、小魚食べたりなど、カルシウム成分が高いものを摂取するのは非常におすすめです」